【ソウル時事】韓国外務省高官は7日、日韓間の懸案である元徴用工問題で、日本側がどのような対応を取るべきかを日韓間で協議していると明らかにした。
高官は原告側が求めている日本企業の謝罪と賠償を「最大値の呼応」と表現し、「最大値の呼応を日本から得るのは現実的に難しい」と指摘。「最大値から現実的なものまで、韓日間の多様なチャンネルで協議している」と述べた。
日本側の新たな謝罪表明だけでなく、1998年に当時の金大中大統領と小渕恵三首相が発表した日韓共同宣言を継承する立場を日本側が表明するなどの方法も念頭に置いているもようだ。
また高官は、解決策を模索する官民協議会で、徴用被害者を支援する既存の財団が、原告の同意が必要ない方法で事実上の賠償肩代わりをする案が出ていると説明。「既存の財団を活用すれば国会の同意を得る必要はない」と語った。
国会は尹錫悦政権と対決する最大野党「共に民主党」が多数を占めるため、新規立法や法改正が不要な既存の財団を活用する考えとみられる。
ただ、高官は、韓国政府としての案はまだ固まっておらず、「国民の共感を最大限得られる内容の解決策ができれば発表する」と語った。