【ソウル=桜井紀雄】韓国が「独島(トクト)」と呼んで不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)周辺の海上研究を専門とする船舶「独島ヌリ」が9日、南東部の巨済(コジェ)から竹島周辺に向けて初めて出航した。韓国の聯合ニュースが報じた。10日ごろ、竹島研究の基地がある鬱陵島(ウルルンド)に到着する予定だ。
日本政府は韓国側による竹島周辺での海洋調査に対し繰り返し抗議してきた。これまでは専用の研究船でなく、民間漁船を借りて調査が行われてきた。研究船の出航は竹島の実効支配を強める動きといえ、日本側の反発が予想される。
「独島ヌリ」は韓国が初とする竹島・鬱陵島の専用研究船で、4月に就航したが機関長を採用できず、出航が先送りされてきた。同船は41トンで、最大20人が乗船でき、水深2千メートル以上まで測定可能な精密水深測定器など多様な研究機器が搭載されているという。