ロシアのショイグ国防相(右)=モスクワで2022年8月15日、スプートニク通信・AP
ロシアのショイグ国防相は23日、自国が侵攻を続けるウクライナの情勢をめぐり、米英仏トルコ4カ国の国防相と相次いで電話で協議した。タス通信によると、ショイグ氏は一連の協議で、ウクライナが放射性物質をまき散らす「ダーティーボム」(汚い爆弾)を使う恐れがあると指摘した。米英仏3カ国の外相は、電話協議後に発表した共同声明で、「ロシアの主張は見え透いた虚偽であり、我々は明確にこれを拒絶する」と強調した。
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米露国防相の電話協議は21日に続き、3日間で2回目となった。ロシア国防省は前回に続きウクライナ情勢が協議されたことを明かした。米国防総省は「ロシアによるエスカレーションの口実を受け入れず、対話継続の意義を確認した」と説明している。ロシアは自国が占領下に置いたウクライナ南部のザポロジエ原発がウクライナ軍から砲撃されているとしたうえで、ウクライナ側が放射性物質の拡散を狙っているなどと主張。ショイグ氏は一連の電話協議でこのような訴えを繰り返したとみられる。
米英仏の外相による共同声明では、「世界は、ロシアが虚偽の主張を口実として戦争をより深刻化させようとしていることを見抜くだろう」とけん制。ロシアの侵攻に抵抗するウクライナの主権と領土保全への「揺るぎない支持」を改めて表明した。そのうえで「ロシアによる戦争を深刻化させるいかなる試みも拒否する」と述べた。【大前仁、ワシントン鈴木一生】