ウクライナ南部ヘルソン州で、避難のためフェリーに乗り込む人々=2022年10月31日、ロイター
ロシア軍が一方的に併合を宣言したウクライナ南部ヘルソン州で、現地の親露派勢力は1日、住民の避難対象地域を拡大すると明らかにした。住民の安全確保を理由に、従来対象としてきたドニエプル川西岸だけでなく、東岸から幅15キロの地帯にも広げるという。ウクライナ側は強制移住につながる恐れがあると反発している。
ロイター通信によると、親露派幹部は州都ヘルソン市の上流約60キロにあるダムを「ウクライナがミサイルで攻撃する準備をしており、洪水が起きる恐れがある」と主張。ウクライナの攻撃から守るためとして、住民に避難を命じた。
ヘルソン市はドニエプル川西岸のロシア占領地にあり、ウクライナ軍は奪還を目指して迫っている。ロイターによると1日の時点で同市内の人通りはほとんど絶え、商店や事務所などもほぼ閉まっているという。親露派勢力は、西岸からは東岸には既に7万人が「避難」したと主張している。【ヨハネスブルク平野光芳】