トルコ航空宇宙産業、組み立て進む第5世代戦闘機のプロトタイプを公開

By | November 24, 2022


トルコ航空宇宙産業(TAI)は組み立てが進んでいる第5世代戦闘機「TF-X」のプロトタイプを公開、2023年3月18日のロールアウトに向けて順調に作業が進んでいるが、搭載エンジンの確保に目処がついたのかよく分かっていない。

潜在的なリスクが高く挑戦的なプログラムは他で拝むことができないため、観測している分には非常にエキサイティングだ

トルコ航空宇宙産業(TAI)は国内の防衛産業企業がもつ技術と経験をフル活用してTF-Xの開発を進めており、同機の機体設計と各種コンポーネントやソフトウェアの統合をTAIが担当、搭載する高度なレーダーはアセルサンがミッション・コンピューターは国家の研究機関が開発を進めており、動翼を動かすアクチュエータは複数のトルコ企業とウクライナ企業が共同で開発、コックピットを覆うキャノピーや降着装置などの主要コンポーネントについても現地生産にむけた準備が進んでいる。

2021年11月にプロトタイプの部品加工が始まり「2022年末まで約2万点の構成部品の加工を終え、2023年3月18日にプロトタイプがロールアウトする」とTAIは明かしたが、組み立てが進むTF-Xのプロトタイプを公開した。

この動画は今月21日にトルコ国防省、空軍、防衛産業の関係者がTAIの工場を訪れた際に撮影されたもので、組み立て中のプロトタイプは垂直尾翼、水平尾翼、エンジンなどが欠けているものの戦闘機としての外観はほぼ出来上がっており「来年のロールアウトに向けて順調に作業が進んでいる」と思われるが、搭載エンジンの確保に目処がついたのかよく分かっていない。

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出典:TURKISH AEROSPACE トルコが開発中のTFX

TF-Xのエンジンは紆余曲折の末、ロールス・ロイスが2022年にTRMotorとの共同開発に復帰したたが、2025年に予定されている初飛行や2028年の量産機配備にこのエンジンが到底間に合う訳がなく、TAIはプロトタイプに米国製のF110を搭載するものの「量産機を2028年に配備する」というタイムラインを守るなら量産機にもF110を搭載する必要があり、米国がTF-XへのF110供給を容認するかは政治的な問題と両国関係に依存する。

バイデン政権とトルコはF-16Vの売却でポジティブな関係を維持、イスタンブール中心部で発生した爆弾テロ事件(トルコはクルド労働者党と人民防衛部隊の関与を主張)をきっかけに開始したシリア北部・イラク北部への軍事介入にも米国は「テロの脅威に直面しているので自主防衛の権利がある」と述べてトルコを支持しているが、東地中海問題ではどちらかと言うとトルコではなくギリシャを支持。

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出典:GEN Konstantinos Floros

当初F-35Aで更新する予定だったF-16C/D Block50/52はF-16V売却(新造機40機+既存機からのアップグレード80機分)で延命、ソースコードを取得しているBlock30(36機)だけはアセルサンのAESAレーダーなど国産技術でアップグレードする予定(TF-Xに採用するアビオニクスのテストヘッド的な意味合いが強い)が、ラファールやF-35A(予定)を導入するギリシャにトルコが対抗するためには一刻も早くTF-Xが必要だ。

ただ肝心の国産エンジンの実用化は2035年以降になると予想されており、ロシアから繋ぎの戦闘機を導入するという選択肢もウクライナ侵攻の発生で難しく、米ディフェンスメディアは「もし米国がF110の供給を渋れば韓国(KF-21)や中国(FC-31/J-35)から戦闘機を導入する可能性もある」と見ている。

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出典:鼎盛风清

航空分野が発展途上のトルコにとってTF-Xの開発自体が試練だが、このような潜在的なリスクが高く挑戦的なプログラムは他で拝むことができないため観測している分には非常にエキサイティングだ。

トルコ、第5世代戦闘機TF-Xのプロトタイプ公開を2023年3月18日に設定
トルコの第5世代戦闘機開発にロールス・ロイスが復帰、エンジンを共同開発か

 

※アイキャッチ画像の出典:Savunma Sanayii Dergilik



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