ロシア・ウクライナ、非難応酬 互いに「滅ぼす」


ロシア・ウクライナ、非難応酬 互いに「滅ぼす」

ウクライナ国家安全保障・国防会議のダニロフ書記=2021年12月、キーウ(キエフ)(AFP時事)

 ウクライナ高官は、ゼレンスキー政権の要のダニロフ国家安全保障・国防会議書記。背景には、相手に対する拭い難い不信感があるもようだ。

 ロシアによる侵攻は今月24日で10カ月になる。本格的な冬を前に戦況がこう着し、越年は避けられない雰囲気だ。欧米メディアで「和平論」が飛び交う中、ウクライナとしてはあくまで「主戦論」を張り、国内の引き締めを図った可能性もある。

 ダニロフ氏は1日、首都キーウ(キエフ)で開かれた安全保障フォーラムに出席。「現在の国境を持つ国家として存在しなくなるよう(ロシアを)壊滅させる必要がある」と強調した。

 「ロシアは今日、国内に植民地を持つ数少ない国の一つであり、たくさんの民族、言語、文化、伝統を破壊している」と主張。プーチン政権を「蛮族」と呼んだ上で「同じテーブルに着いて話さなければならないと促された場合、そうする価値はないと思う」と和平論を一蹴した。

 ダニロフ氏は、異民族を軽視するロシアの姿勢が、ウクライナの民間人への攻撃や領土の占領につながっていると断じた格好。フォーラムには、ロシアに厳しいヌーランド米国務次官もオンラインで参加した。

 ロシアで安全保障会議副議長を務めるメドベージェフ氏は、即座に反応した。国営ロシア通信によると「(ダニロフ氏と)同じ言葉で返す意味はない」と述べながらも「こうした発言をするナチスのろくでなしを根絶する」と反発した。

 メドベージェフ氏は通信アプリでの過激な投稿で知られる。6月にはゼレンスキー政権などの反ロシア勢力を「消滅させる」と宣言し、物議を醸した経緯がある。 



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