
(写真:読売新聞)
ロシアの侵略を受けるウクライナのデニス・シュミハリ首相は、22日配信のウクライナ・インターファクス通信とのインタビューで「現在500万から700万人が国外退避を余儀なくされている」と述べ、帰国が本格化するとすれば来春以降との見通しを示した。
侵略開始から24日で10か月となる中、国民の最大で約6分の1が国外退避したまま越年する見通しだ。国外退避は、露軍のエネルギー施設への攻撃による停電が続いていることも影響しているとみられる。
地元メディアによると、ウクライナの情報機関関係者の話として、ロシアが併合しウクライナへの攻撃拠点にもなっている南部クリミアで23~27日、ミサイル発射のために船舶や航空機の運航制限が行われ、近く大規模空爆がある可能性が高いという。防空や越冬支援を求め訪米したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は23日、帰国したと発表した。
英国防省は20日、露軍の地上部隊の戦闘能力が「約50%」に低下したとの分析を明らかにした。少なくとも10万人の露軍兵士が死傷などで戦闘不能になり、装甲車両約4500台、ヘリコプターや航空機は計約140機が破壊されたという。
プーチン露大統領は22日の記者会見で、ロシア人の保護を続けると強調し、侵略を改めて正当化。露軍参謀総長は22日の駐在外国人武官向けの記者会見で、露軍が当面、東部ドネツク州の全域制圧を目指す構えを示した。ウクライナ軍の無人機(ドローン)とみられるロシアの重要施設への攻撃も続き、空中戦も激化している。