絶好調の仏防衛産業界、タレスは1万2,000人の新規雇用を計画中

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ウクライナ侵攻後に株価が60%以上も上昇した仏防衛産業企業のタレスは「自社製品に対する需要が大きく1万2,000人の新規雇用を計画中だ」と明かし、レーザー誘導ロケット弾の現地生産に関連した契約もインドから受注した。

絶好調の海外受注分に加え、国防予算の増額に対応する仏防衛産業界

タレスの総従業員数は約8万人(内4万人がフランス勤務)で毎年5,000人~8,000人程度の新規雇用を行ってきたが、昨年はウクライナ侵攻が勃発したため防衛装備品に対する需要が急増、これに対応するため「新たに1万1,500人もの従業員を雇用した」とケインCEOは明かしたが、自社製品(防衛、安全保障、航空、宇宙、アイデンティティ・デジタルセキュリティなど)に対する大きな需要に対応するため「2023年に1万2,000人の新規雇用を予定している」と述べた。

絶好調の仏防衛産業界、タレスは1万2,000人の新規雇用を計画中

出典:Ministère des Armées

フランスは2019年から2025年までの国防予算として「2,950億ユーロ」という数字を設定していたが、ウクライナ侵攻後の新しい安全保障環境に対応するためマクロン大統領は1月「2024年から2030年までの国防予算として4,130億ユーロを要求する」と発表、これはフランスの年間国防予算(平均)が421億ユーロから590億ユーロに増額(約6兆円から約8.5兆円に増額)されるという産業界へのシグナルであり、海外受注のバックオーダーが積みがっている仏防衛産業にとっては更なる成長のチャンスと言えるだろう。

ダッソーのラファールには大量のバックオーダー(海外受注分150機以上+仏空軍が発注予定の42機)が積み上がっているため、生産ラインは今後5年以上「フル稼働」が続くと言われており、FCASの試作機開発も始まるため大忙しだ。

Nexterにも仏陸軍からルクレールをXLR規格にアップグレードする作業が正式発注(ひとまず50輌で最終的に計200輌がXLR規格にアップグレードされる予定)され、海外セールスが絶好調のカサエルには100輌以上のバックオーダーが積み上がっており、生産ラインを拡張して年間生産数を3倍に引き上げたらしい。

サフランもラファール向けのエンジン供給に加えてFCAS向けのエンジン開発、エアロ・インディアで受注したヒンドスタン航空機との軍用ヘリ向けエンジンの共同開発が確定しており、タレスもウクライナ軍から受注したレーダー(GM200)に加え、エアロ・インディアで受注したレーザー誘導ロケット弾(FZ275 LGR)の現地生産が控えている。

絶好調の仏防衛産業界、タレスは1万2,000人の新規雇用を計画中

出典:Oleksii Reznikov

ここにフランスの国防予算増額分=7年間で1,000億ユーロ以上(全額が装備調達に投資するわけではない)の資金が流れ込むため、防衛産業界は資金の受け皿となる生産能力の拡張に動く必要があり、タレスが高い水準の新規雇用を維持しているのもその現れだ。

因みにタレスはスターストリーク、WK450、ブッシュマスター、クロタル、GMシリーズといった防衛装備品の開発・製造に関与、エアバスや富士通と共同で英陸軍の次世代戦術通信・情報システム(LE TacCIS)のシステムインテグレーター契約受注に取り組んだり、海自のOZZ-5向けに高周波合成開口ソナーを提供していたりするが、ベラルーシ経由でロシアにT-72やT-80向けのサーマルサイト(SOSNA-U)を供給していたものタレスだったりする。

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※アイキャッチ画像の出典:СвітланаКирган/ІнформаційнеагентствоАрміяInform/CC BY-SA 4.0

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