韓国電力が経営危機 売れば売るほど赤字拡大

韓国電力が2月24日に発表した2022年の連結決算は3兆円規模の赤字となった。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化にも関わらず、価格を引き上げられなかったのが主な原因とされる。

韓国電力の社債発行限度額を拡大したが、応急措置に過ぎないとの声が出ている。資本金はわずか3,000億円程度しかなく、積立金の4兆円規模が生命線だ。

社債発行限度額は資本金+積立金-純損失で決まる。この金額は2兆円規模だ。韓国政府が去年末に債券の発行限度額を5倍にまで引き上げたことから、限度額は10兆円規模ということになる。

ただし発行累積額が既に7.6兆円規模にまで膨らんでいて、残りは2兆円と少ししかない。つまり今年にも発行限度額が埋まってしまう可能性があるわけだ。

韓国電力は今年1月に値上げに踏み切ったが、まだ赤字が解消されていない状況だという。だが電力料金の引き上げは国民の反発を招くことから、値上げ凍結すらも議論されているようだ。

コメント欄では「韓国電力は累積で20兆円赤字」だと明らかにしている人がいた。積立金の5倍もの赤字を積み上げたわけだ。「製造業が他国に勝てるように電気料金を安くしてる国策会社。赤字は当然」と韓国経済の構造に限界が来てることを指摘する意見もあった。(黒井)

売れば売るほど営業損失 [KWレポート] 赤字“爆弾”韓国電力 (1)