スーダンの在留邦人退避、統合幕僚長が陸上輸送も選択肢の一つと言及

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スーダンの在留邦人退避について自衛隊の吉田統合幕僚長は20日「各国が自国民を助けるため準備を進めているが、如何なる国もまだ(スーダン)に入れていない」と明かし、陸上輸送も選択肢の一つとして検討していると言及した。

仮に統合幕僚長の言及が「在留邦人を陸路で国外に退避させる」という意味なら、陸路でエチオピア方面に抜けるのは難しいかもしれない

スーダンでは暫定政権の主導権を巡って「ブルハン議長が率いる正規軍」と「ダガロ副議長が率いる準軍事組織(RSF)」が武力衝突に発展、最も戦闘が激しい首都ハルツームでは医療施設や医療従事者も被害を受けており、外からのアクセスも困難なため医療機器、医療用酸素、輸血用血液などが極度に不足、さらに病院の機能を維持するため燃料や水も底をついている状況で、世界保健機関は19日「スーダンの状況は壊滅的だ。6日間の戦闘で3,500人(死者330人/負傷者3,200人)以上が死傷した」と発表した。

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国連も「スーダンの医療体勢は崩壊し、多くの病院が閉鎖に追い込まれ、救急チームが負傷者をピックアップしたり、死者の遺体を路上から回収するのが不可能になっている」と指摘し、この状況を改善するため国際社会は一時的な停戦を何度も呼びかけ、この提案に正規軍とRSFは何度か同意したものの「相手が停戦を破って先に攻撃してきた」と主張して戦闘は中断されることなく現在も続いている。

正規軍を率いるブルハン議長は「この国にスーダン軍以外の軍事組織は存在せず、反政府勢力(RSFのこと)とは完全降伏以外に交渉を行わない」と、RSFを率いるダガロ副議長も「我々の目的はブルハンを権力の座から追放し、停滞している民主的な改革を前進させることだ。先に攻撃を開始したのはブルハンの方で交渉の余地はない」と述べており、両者とも第三国の介入を阻止するため「これは内戦ではなく国内問題だ」と主張しているため、今のところ国際社会の調停を受け入れる気は微塵もない。

スーダンの在留邦人退避、統合幕僚長が陸上輸送も選択肢の一つと言及

出典:GoogleMap ハルツーム市内の状況/管理人加工(クリックで拡大可能)

首都の詳しい状況は不明だが市内中心部=青ナイル川沿いのエリアでは特に激しい戦闘が続いている可能性が高く、海外の報道を総合すると「市民は電気や水道などのライフラインが停止したハルツーム、北ハルツーム、オムドゥルマンに閉じ込められた状況」で、アルジャジーラは「RSFが北ハルツームに展開する戦力を強化しており、対空部隊で正規軍の戦闘機やヘリに対抗しようとしている」と報じているため、もう第三国が空から陸から首都に入るのは不可能だろう。

スーダンの在留邦人退避について自衛隊の吉田統合幕僚長は20日「各国が自国民を助けるため準備を進めているが、如何なる国もまだ(スーダン)に入れていない」と明かし、日本政府の関係者も「空港が攻撃対象になっているので救出が難しく、どの国も状況は同じだろう」と述べている。

スーダンの在留邦人退避、統合幕僚長が陸上輸送も選択肢の一つと言及

出典:Twitter経由 首都上空を低空飛行するスーダン空軍のMiG-29

吉田統合幕僚長は「(在留邦人の国外退避)がどういうミッションになるのか分からない。分からないがゆえ陸上輸送も選択肢の一つに加えて準備を進めている」と述べているが、ハルツームで身動きがとれない在留邦人を陸路で交戦エリアから退避させるつもりなのか、ハルツームから自力で脱出した在留邦人を陸路で国外に退避させるつもりなのは不明だ。

ただ現地メディアは「スーダンとエチオピアの国境沿いにある肥沃な農地=アル・フシュカ地区(係争中の国境地域)に対するエチオピア軍の攻撃をスーダン軍が阻止した」と報じており、これが事実かどうかは今のところ不明だが、当該地域の支配権を取り戻したいエチオピア軍が今回の状況を利用してちょっかいをかけていても不思議ではない。

スーダンの在留邦人退避、統合幕僚長が陸上輸送も選択肢の一つと言及

出典:GoogleMap スーダンの状況/管理人加工(クリックで拡大可能)

仮に統合幕僚長の言及が「在留邦人を陸路で国外に退避させる」という意味で現地メディアの報道が事実だった場合、陸路でエチオピア方面に抜けるのは難しいかもしれない。

追記:アルジャジーラは「米国がスーダンからの自国民脱出に備えてジブチに追加部隊を送る準備を進めている」と報じている。

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※アイキャッチ画像の出典:太刀風/CC BY-SA 4.0

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