韓国の出生児数が過去最低記録を更新

年明けから出生児数が月2万人台割れとなった。1~5月中に出生児数が月1万人台となったのは初めてだ。

韓国の出生児数が過去最低記録を更新

26日、統計庁がまとめた人口動向によると、2月の出生児数は1万9939人で、昨年同月(2万705人)より3.7%減少した。月間統計を作成し始めた1981年以降、2月基準で最も少ない。今年1~2月には計4万3118人の子どもが生まれたが、昨年同期比5%(2252人)減った水準だ。2012年2月までは全国の出生児数は4万609人だった。半分にも満たない水準の2万人を下回るまでわずか11年しかかからなかった。

2015年12月以降、1カ月も欠かさず1年前に比べて出生児数が減っている。2月まで7年2カ月連続で記録が続いている。出生率においては「サプライズ反騰」さえ期待できないという意味だ。まだ2月までしか統計は出ていないが、今年再び合計出生率が過去最低となる可能性が高まっている。

2月の死亡者は2万7390人で、昨年同月より1905人(6.5%)減少した。出生児数より死亡者数が多い人口自然減少は2019年11月以来40カ月目だ。社会的距離措置の解除による日常回復で婚姻件数は増加した。2月の婚姻は1万7846件だったが、昨年同月より2541件(16.6%)増えた。

出生率が全世界で最も低い水準だが、出産・養育支援予算の割合は経済協力開発機構(OECD)の平均に及ばないという指摘が出た。国会予算政策処は前日、国会討論会でこのような分析報告書を出した。2006年2兆1000億ウォンだった少子化対応予算は、昨年51兆7000億ウォンに増えた。このうち46%に達する23兆4000億ウォン(約2兆3300億円)がチョンセ賃貸、公共賃貸融資事業など住居支援に使われた。住居支援で少子化予算が実際より大きく見える錯視効果が現れたという指摘だ。

保育など家族予算の割合は国内総生産(GDP)比1.56%水準だ。OECDの平均(2.29%)に及ばない。少子化問題をある程度克服したと評価されるフランス、ドイツ、スウェーデンはGDPの3.37%を家族予算として使う。特に児童手当・育児休職給与などは2019年基準でGDPに比べて0.32%で、OECD平均(1.12%)の3分の1にも及ばなかった。

超少子化の影響で、韓国の人口は急速に減少する見通しだ。現在5156万人だが、2041年には5000万人が崩壊するものと統計庁は推定している。政府と専門家たちは適正人口を5000万人と見ている。

26日に開かれた国会人口危機特別委員会第3回会議で共に民主党のイ・ウォンテク議員は「内需市場が持続して発展するためにはどの程度の人口が適正なのか」と尋ねた。これを受け、パン・ギソン企画財政部第1次官は「現在の人口程度は維持されなければならない」と答えた。イ議員も「5000万人程度維持されなければならないと見る」として「人口が減少した後、財政を投入すれば効果が小さい」と話した。

イ議員は自身の地方区である全羅北道金堤市(チョンラブクド・キムジェシ)・扶安郡(プアングン)の例をあげて人口減少の経済的悪影響を説明した。イ議員は「金堤市は一時人口が26万人だったが、今は8万人台に減った。10万人を過ぎると映画館が、8万人を過ぎると救急室・分娩室が消えた。ナイキやアディダスのようなブランド売場が消えた。面単位は5000人になると病院が全滅した」と話した。