清野菜名(C)日刊ゲンダイ
昨年春の改編でフジテレビが水曜夜10時台に連ドラ枠を再開。日本テレビの連ドラ枠と“裏かぶり”になったが、この4月からは、今度はテレビ朝日系で日曜夜10時台に連ドラ枠(朝日放送制作)を新設。またも日テレ(日曜夜10時半)と競合している。その新設第1弾のタイトルは「日曜の夜ぐらいは…」。
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「思い切った編成で、業界的にはこの春の改編の中でも注目度が高い枠です。平日は『報道ステーション』があるため夜10時台に連ドラの放送がないテレ朝としては、“日曜の夜ぐらいは”といったところでしょうか」(広告代理店関係者)
公式HPで《強力布陣で、今を生きる女性たちを描く見応えある珠玉の作品をお届けします!!》とうたっている「日曜の夜」は、大御所・岡田惠和氏のオリジナル脚本で、主演は昨年3月に第1子を出産した清野菜名(28)。あるラジオ番組をきっかけに出会った3人の女性(清野、岸井ゆきの、生見愛瑠)の友情物語だ。
初回放送後、ネット上には《メインキャストも、岡田さんの脚本も、派手さはないけど生々しくて泣ける》《ようやく今期に見続けたいドラマに出会えた》などと高評価の書き込みが目立った。テレビコラムニストの亀井徳明氏は「好き嫌いは分かれると思いますが、視聴率狙いでもネット上の話題狙いでもない姿勢は新鮮ですね」と、こう続ける。
「3人の出会いから仲良くなるまでは“あり得ない”ようなファンタジーですが、それぞれが抱える日常の息苦しさは《それって私》と思う女性も多いはず。清野さんの『煮詰まった時にコンビニに行っていちばん高いアイスを食べる。それでまだちょっとやれるかも、って思う』っていうセリフに救われた人は必ずいたと思います。岡田さん脚本で深津絵里さん主演の『彼女たちの時代』(1999年=フジテレビ系)もそうでしたが、見る人に問いかけるような作りですよね。もっと古いですが、山田太一さん脚本で『想い出づくり。』(1981年=TBS)を覚えている中高年層にも刺さるかもしれません」
ちなみに「想い出づくり。」は森昌子(64)、田中裕子(68)、古手川祐子(63)の3人が主演だった。それはさておき、「日曜の夜」の初回(4月30日放送)の平均世帯視聴率は5.6%と、裏の日テレ「だが、情熱はある」第4話の3.6%を上回った(関東地区=ビデオリサーチ調べ)。
「日曜の夜にリアルタイムで地上波の連ドラを見ようという、やや年齢が上の層は、テレ朝のドラマを見がちというだけでしょう。開始時間に30分のずれはあるし、ターゲットもトーンも違うので視聴率を比べることに意味はない。『だが、情熱はある』で、ジャニーズの2人の山里さん&若林さんへの寄せっぷりには感心していますよ」(前出の亀井徳明氏)
世帯視聴率が尺度ではない。とはいえ、テレ朝の新設枠に差をつけられた日テレ側の胸中やいかに……。