ノッポさんは〝三位一体〟にこだわっていた
NHKの教育番組「できるかな」の「ノッポさん」として知られる俳優で作家の高見のっぽ(本名・高見嘉明)さんが、昨年9月に死去していたというニュースに、日本中がショックを受けている。
「できるかな」のノッポさんは、相棒のゴン太くんとともに一言もしゃべらずジェスチャーのみで工作を行う姿が全国の子どもたちを魅了し続けた。そうして同番組は1970年から90年まで、20年間続く長寿番組に。90年3月放送の最終回では、ノッポさんが「あ~あ、しゃべっちゃった」と初めて口を開き、世間を驚かせた。
ただ開始から20年たっても「できるかな」の人気は衰えていなかった。にもかかわらず打ち切りとなったのは、高見さんの〝男気〟があったからだという。
当時の事情を知るテレビ局関係者は「NHKは『できるかな』をまだ続ける意向だった。ただ20年近く続くと、どうしてもマンネリになってしまうと考え、テコ入れとしてノッポさんだけ残して他のメンバーを一新しようとしたんです」と明かす。
だがこの提案を受けた高見さんは猛反対したという。「高見さんには、『できるかな』はノッポさんとゴン太くん、それにナレーション担当の〝天の声お姉さん〟という三位一体で生み出される空気感がすべて、という思いがあった。そのため『だったら打ち切りにしてください』と断ったんです」(同)
NHKは数年にわたって打診したが、高見さんは頑として受け付けず、根負けしたNHKは打ち切りという判断を下したという。
〝マンネリ〟などと考えず同じスタイルで続けていたら、「できるかな」は30年、40年と続いていたかもしれない。
東スポWEB