天海祐希(C)日刊ゲンダイ
見る人によって評価が大きく異なる。天海祐希(55)主演の連ドラ「合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~」(カンテレ・フジテレビ系=月曜夜10時)の話。5月8日に放送された第4話の平均世帯視聴率は7.8%と、初回の9.3%からダウンしたものの、8%前後をキープしている(関東地区=ビデオリサーチ調べ)。
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頭脳明晰で変装の達人、元敏腕弁護士で“ワケあり”の探偵・上水流涼子を演じるのが天海。そのバディーで、IQ140を誇る助手の貴山伸彦を演じているのは松下洸平(36)だ。
「フジ系の月10枠は『エルピス』『罠の戦争』と社会派ドラマが続いた。そのため『合理的』のコメディー路線を《軽い》と感じて、拍子抜けしてしまった人が離脱したのかもしれません。毎回、何かしらの事件が起こり、それを探偵として解決していくのですが、あまりにもすべてがスムーズに進みすぎて、《そんなにうまくいくわけない》なんて声もありますね」(テレビ誌ライター)
とはいえ、ネット上には《文句なく楽しい》《天海ごうさんと松下さんのコスプレが見られるのが最高》《見ていてスカッとする》《とにかく天海さんがカッコいい》なんて誉め言葉もズラリ。まさに賛否両論だ。
「展開については《そんなバカな》《進め方が荒っぽい》という印象は否めないですから、《ご都合主義》と感じる視聴者がいるのも納得です。でも恐らく、このドラマは謎解きの複雑さを楽しむものではなく、天海祐希という俳優の存在感を楽しむもの。最初からそこを狙って制作されたんだと思いますよ」(脚本家)
天海はドラマ内でコスプレし、踊って、アクションも披露……と毎回、大暴れ。時々クスッと笑える小ネタも挟み、彼女のコメディエンヌとしての実力の高さも存分に堪能できる。
■7月期は鈴木京香が主演
「7月期のフジテレビの連ドラで鈴木京香さんが主演を務めることが発表されましたが、鈴木さんは54歳。天海さんと同世代ですよね。ひと昔前なら、この世代の女優が主演、しかもゴールデンタイムに流れる連ドラはほぼなかった。日本のドラマ界も《若ければいい》という流れからようやく脱却し始めたかと、うれしく思っています」と話すのは芸能ライターのエリザベス松本氏だ。
鈴木が主演を務める7月期の連ドラ「この素晴らしき世界」は、木曜夜10時のフジテレビ木曜劇場で放送。鈴木は20年ぶりの同局ドラマの主演で、普段はスーパーマーケットでパートとして働く主婦と、大物女優という真逆な性格&生活を送る1人2役を演じる。
「天海さんと鈴木さん。2人とも若い世代には出せない貫録とオーラ、“THE女優”と言いたくなる華がある。演技に余裕があり、どんな共演者と絡んでもすんなり馴染む。安心して見ていられるんですよね。『合理的』は、天海さんと松下さんの2人の相性がとてもいいですし、新たなバディーものとして、スペシャルドラマや続編もありそうな予感です」(前出のエリザベス松本氏)
謎解きや事件解決よりも、あんな天海もこんな天海も堪能できる「天海劇場」。視点を変えれば、ガ然、面白いドラマだ。