【参院選】小泉進次郎氏 人気に衰えなし 九州横断、年金問題の「火消し役」


演説後、聴衆と手を合わせる自民党の小泉進次郎氏=大分県別府市

 自民党の小泉進次郎・厚生労働部会長が7日、参院選(21日投開票)の応援で九州入りした。東から西へ、党本部が「激戦区」に指定する大分、佐賀両県を行脚した。「進次郎人気」は衰えを知らず、街頭演説には黒山の人だかりができた。小泉氏は演説で、自民党のアキレス腱(けん)になりかねない「年金問題」に多くの時間を割き、支持を呼びかけた。(小沢慶太、高瀬真由子)

■「こんなに人が集まったのは…」

 「小泉さーん!」

 紺のスーツに身を包んだ小泉氏が姿を現すと、大分県別府市のJR別府駅前を埋め尽くした人から、歓声が上がった。地元の自民関係者は「こんなに人が集まったのは、本当に久しぶりだ」と目を丸くした。

 小泉氏が「今、一番関心があることを言わなければならない」と切り出したのは、年金問題だった。

 老後資金で2千万円が不足するとした金融庁金融審議会ワーキンググループの報告書をきっかけに、年金制度への不安が広がる。麻生太郎財務相兼金融担当相が、報告書を受け取らなかったことや、自らの年金を「心配したことはない」とする発言も、野党にとって格好の攻撃材料となった。

 自民党内にも、12年前の「消えた年金問題」による参院選大敗の悪夢がよみがえる。抜群の人気を誇り、社会保障全般を扱う党厚労部会長の小泉氏は「火消し役にうってつけ」(自民関係者)というわけだ。

 小泉氏は演説で、受給開始年齢の上限引き上げや、働きながら年金を受給すると収入に応じて年金額の一部または全額が支給停止となる「在職老齢年金制度」の見直しなど、厚労部会長として自身が描く年金改革をアピールした。「将来に対する不安をゼロにすることはできないが、小さくすることはできる」と胸を張った。

 その上で「年金改革を実現するためにも参院で自民、公明が1議席でも多く取ることが必要だ」と声を張り上げた。

 演説を聞いた別府市の会社員男性(53)は「老後の心配が全部なくなるわけではないけど、小泉さんがいうと説得力がある」と興奮した様子で語った。

■「次期総理!」

 小泉氏は佐賀県に入った後は、鳥栖、唐津、佐賀3市で演説した。

 鳥栖市の中央公園では、小泉氏が乗る車が会場入りすると、「きゃー」という女性の声が響き、握手を求める人が押し寄せた。陣営によると、会場には開始1時間前から、女性の姿が目立ち、最終的に約400人が集まった。

 小泉氏はやはり、年金問題を中心に約20分間、演説した。「(佐賀の)1議席が、年金改革の推進力になる」と訴えた。

 演説が終わると、聴衆から「総理大臣!」という声が飛んだ。話を聞いた同県基山町の主婦(60)は「次期総理を見に来た。自分の考えを持ち、国会を牽引(けんいん)する人だ」と語った。近くの主婦(69)も「話が分かりやすく、年金問題について理解できた」と満足した様子だった。

 小泉氏は8日も佐賀、長崎両県で党公認候補の応援に回る。



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