「ウクライナ軍が反転攻勢開始」と米報道 ウクライナ側は否定


「ウクライナ軍が反転攻勢開始」と米報道 ウクライナ側は否定

前線で戦うウクライナ兵たち=ウクライナ・ルガンスク州で2023年6月8日、AP

 一方、ウクライナのダニロフ国家安全保障国防会議書記は8日、反転攻勢開始との見方を否定し、「我々が反転攻勢を始めた時は、全員がそのことを知ることになるだろう」と述べた。

 反転攻勢を巡っては、ウクライナのマリャル国防次官が4日、「開始の宣言はしない」としており、実際に開始したかは不明。ウクライナ南部ヘルソン州で6日に起きたダム決壊と洪水により、住民の避難が始まったことで、ウクライナ軍の攻勢計画が「複雑になる可能性がある」(米CNNテレビ)との指摘もある。開始の有無や進展の度合いも含め、情報戦の様相も呈している。

 ウクライナはこれまで米欧に武器支援の強化を求め、反攻の機会をうかがってきた。今年1月には米国やドイツが従来の慎重な立場を変え、ドイツ製「レオパルト2」など主力戦車を提供することを決定。その後、供与も進んでいる。英紙フィナンシャル・タイムズは8日、ウクライナ軍がロシア占領地域にドイツ製戦車を投入し、「反転攻勢の最初の重武装攻撃」を始めたと伝えた。

 一方、ロシアのショイグ国防相は8日、露軍が同日未明に南部ザポロジエ州の前線を突破しようとしたウクライナ軍を撃退したと述べた。事実だとすれば、ウクライナ軍が同州を中心に攻撃を始めた可能性がある。ワシントン・ポスト紙によると、ロシアの軍事ブロガーはウクライナ軍が同州のメリトポリなどを奪還し、露軍が一方的に併合したクリミア半島とロシア側の分断を狙っている可能性があると指摘している。【エルサレム三木幸治】



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