ウクライナのキーウ(キエフ)地域の国境施設がロシア軍の空襲で破壊されたている。[写真 ウクライナ内務省フェイスブックページ]
ロシアに奪われた領土を奪還するためのウクライナの大反撃がなかなかスピードを出すことができない中で、戦況を変えるのは容易でないという米国メディアの分析が出てきた。
【写真】両目と両腕を失ったウクライナ軍人と妻
ウォール・ストリート・ジャーナルは23日、「ウクライナの武器と訓練不足がロシアとの戦争を膠着状態に陥れる危険がある」と報道した。
同紙は「西側の軍当局者はウクライナがロシア軍を追い出すのに必要な砲弾、戦闘機などの武器と訓練が不足しているということを知っているのにウクライナが勇気と知略で勝利することを望む」と指摘した。
その上で「ウクライナが今年戦争で大きな突破口を作ると予想するのは難しい」と診断した。
米国は最近国際的議論にもクラスター爆弾をウクライナに支援した。フランスもウクライナに巡航ミサイルを提供すると明らかにした。このように西側諸国の支援が続いているが、ウクライナの軍事的能力は力不足というのが同紙の分析だ。
ウクライナが限界に直面するほかない理由としては、来年行われる米国大統領選挙などに言及した。「バイデン米大統領は来年の再選挑戦に及ぼす影響を考えウクライナに対する大規模軍事支援に慎重な姿で、欧州諸国のウクライナ支援も十分でない」ということだ。
これに対しロシアは兵士らの低い士気などの問題はあるが、長く構築してきた地雷や塹壕など強力な防衛施設でウクライナ軍の攻撃を阻止する余力は十分だと評価した。
最近ウクライナに行ってきた軍事分析家フランツ・ステファン・ガディ氏は「ウクライナがロシアの防衛網を突破することを望むならば本当に軍事作戦の規模を拡大し(軍事作戦を)同時に進める必要がある」と助言した。
ウクライナは歩兵中隊単位の小規模作戦を次々と展開しながらロシア軍に特別な衝撃を与えられずにいるが、戦術を変更してこそ戦況を変えられると助言したものだ。
同紙は特にウクライナの空軍力の劣勢を指摘した。「西側のどの軍隊も空を掌握しないまま確実に構築された防衛網を突破しようとしないだろう」としながらだ。
英シンクタンク国際戦略問題研究所(IISS)のダグラス・バリー上級研究員は「ロシアはいま航空資産を適切に活用できる、ロシアがウクライナ全体に対し空軍力が優位ではないが、防衛の側面でははるかに有利だ」と明らかにした。
ロシアは戦場でウクライナ軍の攻撃を防ぐのにドローンとヘリコプターを積極的に投じている。
これに対しウクライナ軍は旧ソ連時代に作られた戦闘機とヘリコプターを持っているがその数は多くなく、西側に要請したF16戦闘機が提供されるまでには時間が必要だ。
こうした中、米CNBCは21日、「軍事専門家の間でウクライナがロシアの防衛網を突破して領土を奪還する機会の入口が近く閉ざされるかもしれないという警告が出ている」と報道した。
軍事コンサルタント、ロチャン・コンサルティングのコンラッド・ムジカ会長は「ウクライナの弾薬がすべてなくなりこれ以上銃砲で戦えない状況に至るまで長くても3カ月残ったというのが妥当だ」とCNBCに話した。