21日投開票の参院選で、山本太郎代表率いる政治団体「れいわ新選組」の戦い方が注目を集めている。街頭演説にはSNS(会員制交流サイト)などを通じて多くの聴衆が集まり、4月の結成から募ってきた寄付金は3億円を超えた。消費税の廃止など目を引く政策を並べ、無党派層にターゲットを絞ったパフォーマンス中心の手法が当たった形で、他の野党は警戒を強めている。
「国会の野良犬、山本太郎でございます。国会の空気を読まない、与野党問わず永田町の論理には流されない、どこまで行っても、這いずり回っても、身体を張ってでもファンのために芸風を続けるような、ややこしい野党を作りたいです」
山本氏は19日夕、東京・JR新橋駅前で「れいわ祭」と題する街頭演説会でこう訴えると、聴衆からは歓声が巻き起こった。会場の広場にはれいわ新選組のシンボルカラーであるピンクの幟(のぼり)が林立し、仕事帰りのサラリーマンや若者らが続々と足を止めた。立憲民主党の関係者は「枝野幸男代表の10倍以上の聴衆が集まっている」といぶかしげに語る。
山本氏は4月、自由党から国民民主党入りを決めた小沢一郎氏と決別し、れいわ新選組を立ち上げた。参院選の候補者選びでは、就職氷河期世代の中年層や非正規社員、シングルマザー、障害者らを「弱者」と位置付け、特徴的な候補を擁立した。