「ドラゴンアイ」 秋田・八幡平で観光客がSNSで話題の絶好の機会を逃さない

「ドラゴンアイ」とは?

岩手県と秋田県にまたがる八幡平の頂上から約20分山道を歩くと、円形の沼が見えてきます。真ん中には雪が残り、その中央は溶けていて、まるで「目」のような形をしています。この珍しい光景は「八幡平ドラゴンアイ」と呼ばれ、毎年5月から6月にかけてしか見ることができません。

「ドラゴンアイ」の誕生の経緯

八幡平市観光協会の事務局次長である海藤美香さんによると、2015年に台湾からの観光客がSNSで「ドラゴンアイ」を発信したことがきっかけで、この名所が広く知られるようになりました。

台湾からの訪問客は、八幡平アスピーテラインの「雪の回廊」に着き、まだ雪に覆われた頂上を喜んで探検しました。その途中で見つけた鏡沼の写真を投稿し、「ドラゴンブルー」という言葉で共有しました。

この投稿をきっかけに、「八幡平ドラゴンアイ」についての問い合わせが急増しました。地元のホテルも賑わい、新たな需要に応えるために八幡平地域での統一的な宣伝が行われました。

「ドラゴンアイ」の人気スポット化

「ドラゴン」はアジア圏で縁起の良い動物とされており、観光協会では「八幡平ドラゴンアイ」の商標登録も行いました。この名所は、形や色に微妙な変化を見せるため、国内外から観光客を引きつける人気スポットとなっています。

実は鏡沼は岩手県ではなく、秋田県仙北市に位置しています。しかし、首都圏からのアクセスの便が良いため、岩手側からのアピールや情報発信が主流となっています。

新たな展開

秋田県でも「竜」にゆかりのある地域が存在します。八幡平を抜けて南にある田沢湖や八郎潟など、竜にまつわる伝説が残っています。このような伝説と「ドラゴンアイ」を組み合わせ、「ドラゴンリバー」として宣伝する構想もあるようです。

観光協会の海藤さんは、「台湾からの観光客が新たな視点をくれた。ここでの魅力をどう増やしていくかが重要です。観光地はお客さんの声に耳を傾け、改善していかなければなりません。ただ座っているだけでは、観光地の発展は難しいのです」と話しています。

八幡平の山頂レストハウスでは、お土産や長靴のサービスなど、来客の声を聞きながらサービスを充実させてきました。そして、観光地に人が集まるかどうかは、情報の発信方法にも大きく左右されるのだと言えます。

観光地は常に変化する存在であり、見せ方や発信方法によって人々の興味が集まったり離れたりするものです。八幡平ドラゴンアイも同様であり、今後も観光地としての魅力を維持し、訪れる人々にまた来たいと思ってもらえるよう努めていくことが大切です。

ドラゴンアイの画像