中国におびえる右派、科学的根拠のない左派、どちらも本質を理解していない
福島の海洋放出の報道を見ると、日本の右派から左派までの人々の主張は、考えさせられるものばかりです。本質を十分に理解していないのではないかと思います。科学的な根拠のない左派や、中国の力におびえて「素早く」という優等生的な発言をする右派は、問題を日本に有利に進めることを期待しているのでしょうか。相手が強国であっても、正当な科学的根拠をもって毅然とした態度をとらなければ、どのような結果になるのかわかりません。私は2011年以降、原子力発電所の処理について取材を行ってきました。今年の春には「梅雨明け後の海洋放出」について把握し、報道してきました。
海洋放出が「危険だ」とする諸外国。韓国が1位、中国が2位
放出前の話ですが、興味深い調査結果があります。東京大学の関谷直也准教授（災害情報論）が2022年3月に行ったアンケートでは、日本、韓国、中国、台湾、シンガポール、ロシア、ドイツ、フランス、英国、米国の大都市の20歳から60歳代のインターネット利用者3000人を対象に、東京電力福島第一原子力発電所の「処理水」の海洋放出についての意見を調査しました。
以下は調査結果です。
-
「海洋放出が行われた場合、福島県産食品の安全性をどう思いますか」という質問に対して、日本国内の回答者の「とても危険だ」または「やや危険だ」の合計は36％でした。
-
同じ質問に対して、日本国外の9カ国・地域では60％を超える割合で、「とても危険だ」と回答しました。その中で韓国が最も高く93％、中国が87％、ドイツが82％、フランスが77％、台湾が76％、アメリカが74％となりました。
-
韓国や中国などの日本の近隣諸国の回答者の半数以上が「今でも日本政府は原子力発電所からの放射性物質の情報を公開していない」と回答しました。
2022年7月22日に、原子力規制委員会が東京電力の処理水の海洋放出計画を認可しましたが、中国外務省は記者会見で「強く反対する」と表明しました。また、韓国外務省は「国民の懸念を日本側に伝える」とコメントしています。
記事元リンク: [日本ニュース24時間](https://jp24h.com)
