数字で振り返る参院選(中) 48・80%…過半数棄権の「非常事態」


 参院選の投票率が過去最低の平成7年以来、24年ぶりに5割を切り、選挙区は48・80%、比例代表は48・79%だった。参院選と統一地方選が12年に1度重なる「亥年選挙」は選挙疲れで投票率低下の傾向があるとはいえ、過半数の棄権は政権の正統性を揺るがしかねない「非常事態」だ。

 都道府県別に選挙区投票率をみると、50%未満は6割の29府県に上る。なかでも合区対象県は下落に拍車がかかっている。

 28年の前回参院選で高知と合区された徳島は、全国最低の38・59%(前回比8・39ポイント減)。今回は自民現職が比例代表の特定枠に回ったことが、有権者の関心低下につながったとみられる。

 高知は46・34%と前回より微増だったが、全国平均を下回った。鳥取は49・98%、島根は54・04%で、合区対象県は高知以外の3県で過去最低を記録した。

 28年参院選と比べ投票率の下落幅が最も大きかったのは、青森(投票率42・94%)の12・37ポイント。人口減少などに伴い、青森は投票所を前回より69カ所減らした。地方での投票機会の確保は喫緊の課題だ。

 一方、与野党が接戦を繰り広げた選挙区の投票率は比較的高かった。改選6議席を20人が争った東京は51・77%だった。

 改選1人区の東北は、青森を除く5県で50%を上回った。うち全国唯一の60%台だった山形(60・74%)など、自民現職が野党系新人に敗れた4県では惜敗率9割超の激戦となり、有権者の関心が高まったとみられる。(清宮真一)



Source link