ジャニーズ事務所の起用に悩む企業、新たな展開には慎重な姿勢を

ジャニーズ事務所に所属するタレントの性加害問題により、大手企業の間で広告起用についての考え方が変わりつつあります。一方で、タレント自身の問題とは異なる立場を取る企業も多く、対応が分かれています。

ジャニーズタレントの起用について

ジャニーズ事務所の創業者であるジャニー喜多川氏が性加害問題で亡くなって以来、大手企業は所属タレントの広告起用を見直す動きを広めています。ただし、タレント自身の不祥事とは異なる問題であるため、企業は慎重に対応を考えているのが現状です。

アサヒグループビル

サントリーの対応

サントリーホールディングス(HD)は、ジャニーズ事務所に対して被害者の救済策や再発防止策の説明を求めました。サントリーは「納得できる説明があるまでは、新たな契約を結ばない」との方針を取っています。

京阪HDの慎重な姿勢

大阪府枚方市の遊園地「ひらかたパーク」を運営する京阪HDは、俳優の岡田准一さんをイメージキャラクターとして起用しています。京阪HDもジャニーズ事務所に対し、性暴力は容認できないとの申し入れを行う予定です。ただし、「岡田さんとの関係を大切にしたい」との考えから、現時点での契約解消には慎重な姿勢を示しています。

他社の対応

東京海上日動火災保険は、所属タレントの広告出演などに関する契約を更新せず、契約解除も検討しています。また、ある企業は海外向けに厳しい対応をすることで人権意識の高さをアピールする必要があると考えています。

一方で、知名度と人気の高いタレントが多く所属しているため、慎重な意見も存在します。ロート製薬はハラスメントを許容することはできないとのスタンスを取りつつ、ジャニーズ事務所の取り組みを踏まえて対応を検討したいと述べています。ダスキンもいかなるハラスメントも容認しないとしつつ、起用を続けるかどうかは検討中です。衛生用品メーカーの健栄製薬は、起用しているタレントが被害に遭っていた場合でも契約を打ち切ることはせず、契約満了まで起用を続ける方針だとしています。

井之上喬会長のコメント

企業の危機管理に詳しい「井之上パブリックリレーションズ」の井之上喬会長(京都大学経営管理大学院特命教授)は、「タレントの起用は各企業の判断ですが、その根拠は十分に説明すべきです」と指摘しています。さらに、「契約を解除するだけでなく、再発防止や被害者救済を促すなど、スポンサーとしての責任を果たすべきです」とも述べています。

記事の出典元: 日本ニュース24時間

参照リンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/1751289a724772b523a5f303ad02cd7c369c2c42