コロナの「新変異株」ピロラ 国内初確認 症状の特徴と医師の見解

コロナウイルスの新しい変異株「ピロラ」が日本国内で初めて確認されました。この新変異株にはどのような特徴があるのでしょうか?さらに、新型コロナとインフルエンザが同時に流行している中、医療現場の状況や私たちが注意すべき点などについて、いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長にお話を聞きました。

日本国内で初めて確認された新変異株「ピロラ」

新型コロナウイルスは、新しい変異株が出現しています。日本では「ピロラ」と通称される「BA2.86」という変異株が東京都によって発表されました。

東京都は、PCR検査を行った検体のゲノム解析により、「BA2.86」系統の新変異株であることを確認しました。この変異株はウイルスの表面にあるスパイクタンパクが多く変異しており、感染力が高まる可能性があります。そのため、監視対象とされています。

国立感染症研究所によると、2022年9月8日時点で、ピロラは13か国で67件検出されています。最も多いのは南アフリカで16株、日本では1株が確認されています。

現時点では、ピロラの感染力や症状の重症度についてはまだ情報が少ない状況です。今後の研究結果が待たれています。

感染拡大の可能性について、伊藤博道院長は「この発見はまだ「氷山の一角」かもしれません。数か月のうちに流行する可能性もある」と述べています。

オミクロンの流れについて伊藤博道院長にお尋ねすると、以下のようなご意見をいただきました。

「オミクロンの初期の頃の症状に少し回帰しているような感じがあります。オミクロンの変異株が最初に出現した時には、喉の痛みや発赤・腫脹といった症状が強く話題になりましたが、それに近づいてきているようです。味覚障害や嗅覚障害も比較的多く出現している印象を受けます。」

「第8波のピークに近い」現在の医療現場

コロナの状況について、伊藤院長は次のようにおっしゃっています。

「お盆明けにはコロナ患者がやや増えましたが、一時的に減少した後、また少しずつ増えてきています。特に10代や小学生・中学生・高校生、そして高齢者にも感染が広がっています。現在はピロラよりも一歩手前の変異株であるエリス(EG.5株)が主流となっており、感染が広がっている状況です。」

このように、コロナウイルスの新変異株「ピロラ」が日本国内で初めて確認されました。医療現場では「第8波のピークに近い」とされており、引き続き感染予防対策が重要です。皆さんもマスクの着用や手洗い、人混みの回避など、感染リスクを低減するための行動を心掛けましょう。

参考文献:日本ニュース24時間