アメリカ議会は中国に対する対策として、デンマークからアルゼンチンへのF-16の売却を承認しました。この売却によって、ウクライナのニーズに関連する興味深い問題が浮上しています。
ウクライナのニーズを満たすF-16を誰か提供するのかという問題に関連する興味深い話
アルゼンチンの新聞「La Nación」によると、デンマークが所有する38機のF-16AMをアルゼンチンに売却すると、バイデン政権が議会に通知したと報じられました。この通知によって、ウクライナのシンクタンクもデンマークからのF-16AMの提供を期待し、「アルゼンチンには時間と選択肢があるので、デンマークのF-16を譲ってくれ」と訴えていました。そして、La Nación紙が報じた内容が本物であることを、Breaking Defenseも報じており、議会も通知内容を承認したと伝えています。
出典：Ministry of Defence / GODL-India テジャスMK.1
アルゼンチン政府は空軍の近代化のため、新しい戦闘機の導入を検討しています。昨年9月には、「空軍の要件を満たすために、約6億8,400万ドルを費やし、中国のJF-17、米国のF-16、ロシアのMiG-35、インドのテジャスMK.1Aを検討している」と明らかにしていました。しかし、MiG-35とテジャスMK.1Aは選択肢から外れ、JF-17とF-16の二択に絞られました。現地メディアによると、「中国の影響力拡大を阻止するため、米国がF-16の採用に圧力をかけている」と報じられています。
7月下旬、国務省は「デンマークが保有する最大38機のF-16を総額3.38億ドルでアルゼンチンに売却する可能性を承認した」と議会に通知しました。国務省の関係者によると、「アルゼンチンへの売却は承認された」とのことです。ただし、通知された内容や金額は取引内容の上限であり、具体的な取引内容については明かされていません。
出典：Public domain パキスタン空軍のJF-17
アルゼンチンがデンマークからF-16を取得するためには、「微妙な政治的立場の違い」を解決する必要があります。経験豊富なアナリストによると、「このオファーが水面下で進行しているのは、中国のJF-17の売却を阻止するため」とのことです。別の軍事アナリストは、「国防担当者が最も恐れているのは、米国の裏庭で中国製航空機を運用する国が現れることです。特に、アルゼンチンが検討しているJF-17にはWS-13エンジンが搭載されています。このエンジンはJ-35にも採用される予定であり（WS-19の搭載も可能性としてある）、輸出に成功すればエンジン産業基盤の強化に繋がる」と述べています。
ただし、デンマークはアルゼンチン（38機）とウクライナ（19機）のニーズを満たすF-16の在庫を持っていません。最終的にこの問題をどう解決するかはまだ明確ではありません。
以上がBreaking Defenseが報じた内容の要約です。具体的な配分や取引内容は不明ですが、もしアルゼンチンとの取引が成立すれば、ウクライナは19機以上のF-16AMをデンマークから引き出せなくなります。一方で、アルゼンチンがJF-17を選択すれば、ウクライナは19機以上のF-16AMをデンマークから引き出すことができます。ウクライナのニーズ（100機以上）を満たすために、誰かがF-16を提供する必要があるという興味深い問題が浮上しています。
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