2023年9月下旬、北朝鮮の恵山市でまた一つの公開処刑が行われました。今回の処刑は、戦時に使用する医薬品を横流しした罪で行われました。この記事では、北朝鮮内部の出来事を掘り下げ、詳しく見ていきましょう。
8月には9人の処刑が行われていた
この公開処刑の実施については、取材協力者が9月25日の朝に知りました。通知があり、午後に恵山飛行場で行われるとのことで、住民が集まるようにと当局からの通知がありました。しかし、取材協力者は8月の処刑を目の当たりにし、強いショックを受けたため、体調不良を理由に行くことなくその場にいませんでした。その後、処刑後に動員された人々からの聞き取りを行った結果、以下のような状況が明らかになりました。
「最初は2人が処刑されると言われていました。1人は夫を殺そうとして未遂に終わった女性でした。結局、処刑されたのは男性1人でした。彼は戦時物資の医薬品を個人の薬商人に横流しした罪を犯しました。この罪により、新型コロナウイルスの流行の際に中国の医薬品を闇市で高値で売りさばいたのです。『国家の医薬品を私利私欲のために盗んだ者は、厳重な法的処罰を受ける』と彼は処刑される直前に宣告されたそうです。」
医薬品の横流しで処刑というのは非常に重い刑罰ですが、北朝鮮政府は民間医療と医薬品の個人販売を根絶するための厳罰を科すことを住民に通達していました。
言うことを聞かない者は容赦しない
取材協力者によれば、7月にはコロナウイルス非常防疫本部による調査で、戦時物資の倉庫で医薬品の空き瓶が見つかり、4人が逮捕されたそうです。しかし、3人は逃げ切り、1人だけが処刑される結果となりました。今回の処刑を受け、医薬品の販売や流通を行っている者は自発的に申告するよう当局から通達がありました。
恵山市での公開処刑が再び行われたのは、情報が短時間で世界中に広がるだろうという意識のもとで行われたのでしょう。まだ確証はありませんが、アジアプレスによれば、清津市や咸興市でも8月以降に公開処刑が行われたとの情報が入っているようです。
公開処刑の再開は、恐怖を徹底的に利用し、住民を統治するための最も効果的な手段と言えるでしょう。取材協力者は、「国の命令に従わない者には容赦がなく、ただ命令に従うだけでいいということを示すためのものです。本当に人を殺すので、皆さんも十分に注意してください。」と、現在の状況について述べています。
また、この協力者は安全局の関係者から聞いた話として、恵山市では殺人や暴力行為、集団逃走などの罪で処刑対象となっている者が7人いると伝えました。彼らは最終裁判の結果を待っており、家族が処刑を免れるために必死に奔走しているとのことです。
この9月25日の処刑については、アメリカのRFA(アジア自由放送)も報じています。
※アジアプレスでは、中国の携帯電話を使用して北朝鮮と連絡を取り合っているとのことです。
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