フランス産業界、大統領の要請に応じ戦時体制へ移行 武器生産が大幅増

フランスのマクロン大統領は昨年6月のユーロサトリで「(ロシア軍のウクライナ侵攻を受けて)欧州諸国は戦時経済へと移行した」と述べ、自国の防衛産業界に「戦時体制への移行」を訴えていました。その呼びかけにフランスの産業界は応え、武器生産が大幅に増加したことがルコルニュ国防相によって発表されました。

フランス産業界の戦時体制とは?

フランスの戦時体制は、「ニーズが見込める範囲での設備投資や増産」という意味です。このパターンは、米国を含むウクライナ支援国でも共通して見られるものです。マクロン大統領は戦いの長期化を予想しており、フランスの防衛産業界に「戦時体制への移行」を訴えていました。

フランス産業界
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戦時体制に移行した結果

ルコルニュ国防相は、戦時体制に移行した具体的な結果について次のように述べています。「NexterはCaesarの生産ペースを月2輌から月6輌に引き上げた。さらに2024年の生産ペースは月8輌に増加する予定で、155mm砲弾の生産ペースも2024年初頭までに月1,000発から月3,000発に引き上げる計画だ。MBDAもミストラル(MANPADS)の生産ペースを月40発に倍増させ、Dassaultもラファールの生産ペースを月3機、Thalesもレーダーの生産ペースを3倍に増強した」とのことです。

フランスの戦時体制による武器生産力は、米国の生産力と比べると少なく感じるかもしれませんが、実際にはNexterの生産数が年間96輌と非常に多く、ミストラルの生産ペースもスティンガーと同じくらいです。また、ラファールの生産ペースもF-16の生産目標に近いため、フランスの戦時体制に移行した産業界の生産力は確実に強化されています。

カエサル6×6
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なお、フランス産業界の戦時体制は「ニーズが見込める範囲での設備投資や増産」という意味を持ちますが、これは米国を含むウクライナ支援国でも同様のパターンと言えます。

戦時体制に移行したフランスの産業界には他にも注目すべき動きがあります。例えば、フランス政府は440億ユーロの国防予算を要求し、空母2隻体制にも言及しました。また、仏Nexterは自走砲の生産量を3倍に引き上げ、年間72輌のCaesarを供給します。さらに、米空軍大将によれば、NATO加盟国の兵器備蓄量は危険なほど少なくなっているとのことです。

引用元: 日本ニュース24時間