イスラエル、地上侵攻拡大-ハマスは全パレスチナ人捕虜の解放を要求

イスラエル国防軍がガザ地区に侵入し、現地での戦闘を続けていると発表しました。地上侵攻の規模が拡大する可能性も示唆されています。一方、ハマスは人質解放の条件として、「全パレスチナ人捕虜の解放」を要求しました。

シファ病院での勤務経験を持つノルウェー人医師はイスラエル国防軍の主張を否定

イスラエル国防軍の報道官によれば、地上部隊はシェジャイヤ地区に侵入し、司令部やテロリストの拠点、対戦車ミサイルの発射拠点を攻撃し、その後撤退したとのことです。しかし、ハマスのアル・カッサム旅団はガザ地区北部と中部で激しい衝突が発生していると主張しています。

ガザ地区内にいるBBCの記者によると、「これまでに見たことのない規模の砲撃がガザ地区北部で行われた」とのことです。また、Times of Israel紙によると、目撃者によれば、ガザ地区北部のシファ病院とインドネシア病院の周辺が空爆され、道路に大きなクレーターができ、多くの建物が瓦礫と化していると報じられています。

しかし、ノルウェー人の医師マッツ・ギルバートさんは、シファ病院での勤務経験を持っており、イスラエル国防軍の主張を否定しています。彼によれば、過去にも同様の主張がなされたことがありますが、彼は病院内での制限や監視を受けたことはなく、自由に行動していたとのことです。

ハマスは全パレスチナ人捕虜の解放を要求

ハマスは人質解放の条件として、「イスラエルの刑務所に捕らわれている全てのパレスチナ人捕虜の解放」を要求しました。被害者家族の代表もネタニヤフ首相と会談し、「愛する人を危険にさらす軍事作戦を行わないで欲しい」と訴えました。また、多くの国民もパレスチナ人捕虜との交換に賛成していると主張しています。ただし、ネタニヤフ首相はハマスとの交渉は行わない方針を崩していません。

現地での戦闘は継続中

イスラエル国防軍は、ガザ地区に侵入した部隊が現地に留まり、戦闘を続けていると明かしました。CNNによると、26日と27日に行われた地上侵攻は数時間でイスラエル領内に戻る予定でしたが、ハガリ報道官の発言から地上侵攻の規模が拡大した可能性があると報じられています。ただし、具体的にどの地域で交戦が行われているのかは不明です。

イスラエル軍は事前にガザ地区侵攻に備えて部隊を待機させていましたが、その大半が確認されていた拠点から移動したとの報告もあります。イスラエル国防軍が公開した動画には、26日の侵攻地点に近い場所で侵入経路の開拓が映っています。

現在のところ、イスラエル軍の地上部隊がガザ地区のどの地域に侵入し、交戦しているのかについての詳細は分かっていません。

イスラエル国防軍の地上部隊
出典:Google Map 管理人作成(クリックで拡大可能)

ネタニヤフ首相と被害者家族の代表
出典:ראש ממשלת ישראל 被害者家族の代表と会談するネタニヤフ首相

※アイキャッチ画像の出典:Israel Defense Forces