「セクハラによる人生の崩壊」――30代女性が望まない行為の連続に苦しむ

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 突然、記憶がよみがえり、涙があふれ出る。吐き気や不眠も続く。「身も心も汚され、つらいです」。九州に住む30代の女性は、2年近くもの間、自身の職場で男性社員から望まない性行為を繰り返されました。

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 2018年末、部署異動があった頃、彼女はその男性と知り合いました。初めての業務に加え、プレッシャーも感じていました。彼女を支えてくれたのは、その男性でした。彼は彼女よりも20歳ほど年上で、「まるで自分の子供のよう」と感じ、感謝していました。

 職場や懇親会の場で一緒に過ごすうち、男性は彼女に対して抱きついたり、体を求めるようになりました。彼女には恋愛感情はなく、抵抗すると男性は「仕事は大丈夫なのか?」「私を切り捨てたいのか?」というように、彼女の業務にまで絡めた脅しをしてきました。この強引なアプローチに対し彼女は「怖い」と感じ、仕事の今後に不安と恐れを抱きました。しかし、拒んでも通じることはありませんでした。

 最悪の時には週に3、4回も男性に抱かれることを強要されました。男性は、彼女が助けた恩を押し付けてきたり、彼女に対して態度を強くしてきました。「馬鹿にするな」「調子に乗るな」といった言葉を彼女に浴びせました。「関係を絶ちたい、と言うこと自体が私にとってつらいことだ」と男性は怒鳴りました。

 彼女のスマートフォンには、男性からのLINEのメッセージが残っています。「どれだけの苦痛を味わわせたつもりなの?」「金を払え」「辞表を用意しろ」「俺の言うことは絶対だ」「仕事を止めてレスポンスしろ」などといった内容です。また、彼女の家まで男性が押しかけたり、深夜まで彼女を責めたり、暴力を振るわれることもありました。

 彼女は、男性の要求に応じることが、自身の身を守る唯一の方法であると感じていました。実際、彼女は一度男性に14万円を支払ったこともあり、後に返金されました。彼女は報復や噂が広まることを恐れ、誰にも相談することができませんでした。

 そして、2019年末には、彼女の異変に気づいた上司から男性との関係を詮索されましたが、彼女は言えませんでした。そして、部署異動によって彼女と男性は顔を合わせることもなくなり、彼女は少しずつ距離を置くようになりました。そして、彼女は連絡を絶つ決断をしたのは2020年の秋でした。最初の被害から2年近くが経過していました。

 昨年の春、ついに彼女は自身の会社に相談することができました。しかし、彼女は自身が安全だと感じるまで話すことができませんでした。彼女は警察にも訴えましたが、話をするたびに記憶がよみがえってしまいました。そのため、彼女は出勤することができない適応障害となってしまいました。

 しかし、彼女は会社から男性が自身の主張を否定していると知らされました。彼女は弁護士を立て、相手側と協議し、性的な関係を強要したことに対する謝罪と賠償金を受けることで、示談に達しました。

 彼女は男性に対して反省を促し、他の人々に対しても同じような被害を受けないように願っています。また、彼女は職場がセクハラやパワーハラスメントを生まない環境づくりに取り組んでほしいと心から願っています――。

Source: 日本ニュース24時間