クマによる被害拡大、「殺すな」と抗議の声

秋田県の佐竹敬久知事=6日、秋田県庁

東北地方では、クマによる被害が深刻化しており、駆除に対する抗議の声が増えています。特に、人身被害が全国でも最も多い秋田県では、10月上旬のピーク以降、被害は減少していますが、毎日数件の「なぜ殺すのか」といった強い口調の苦情が寄せられています。このため、佐竹敬久知事は6日の記者会見で「感情的な意見が多いです。国に理解を得られるよう、行動を起こしてほしい」と要望しました。

駆除に対する抗議の背景

秋田県によると、抗議が最も多かったのは、美郷町の畳店の作業小屋にクマの親子がとどまった事件です。このクマは駆除されたため、「かわいそう」といった声が殺到し、電話やメールでの抗議が相次ぎました。抗議には号泣する人もおり、対応に支障が出る事態となりました。

また、被害のない地域からの連絡も多く、同一の人物から何度も抗議が寄せられるケースもありました。一方で、一部の地域では駆除を求める声もあります。

他の地域の状況

岩手県では、秋田に次いで人身被害が多く報告されており、保護すべきだといった意見や要望が増えています。ここ3週間で約30件の連絡が寄せられました。

福島県でも、毎日4〜5件の電話がかかってきます。抗議の他にも、住民からの「クマを何とかしてほしい」という不安の声もあります。

このような状況下で、クマの駆除に対する抗議の声は増え続けています。被害を最小限に抑えるためにも、地域の皆さんの声に真摯に向き合い、解決策を模索する必要があります。

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