「宇宙で行われた初の戦闘」 イスラエル軍、大気圏外で弾道ミサイルを迎撃

イスラエル軍が大気圏外で弾道ミサイルを迎撃
(写真:朝鮮日報日本語版) ▲イラスト=UTOIMAGE

イスラエルのミサイル迎撃システム「アロー」が地球の大気圏外で初めて弾道ミサイルを撃墜したと発表されました。この弾道ミサイルはイランの支援を受けたイエメンの親イラン武装組織フーシ派によってイスラエル南部のエイラトに向けて発射されたものとされています。

大気圏外での歴史的な戦闘

イスラエル国防軍は「Arrow(アロー)」と呼ばれるミサイル迎撃システムによって地球の大気圏外で弾道ミサイルを撃墜したことを明らかにしました。これは宇宙で行われた初めての戦闘とされています。イスラエル国防軍は具体的な詳細は公表していませんが、「空軍システムがミサイルを追跡し、最も適切な時間と位置で迎撃した」と発表しました。

イスラエルのミサイル迎撃システム「アロー」の撃墜に成功した瞬間の動画も公開されました。また、エイラトで撮影された写真にはアローから出る煙の痕跡が見え、住民は地上で大きな爆発音が聞こえたと証言しています。

フーシ派の攻撃に対抗

フーシ派もイスラエル各地を狙った攻撃の一環として、ミサイル発射時の様子を撮影した動画を公開しました。フーシ派スポークスマンのヤヒヤ・サリー氏は声明で「わが軍は占領地域にいるイスラエルの数々の標的に多くの弾道ミサイルとドローンを発射した。今回はイスラエルに対する3回目の作戦であり、(ガザ地区への)イスラエルの侵略が止まるまで攻撃は続くだろう」と述べました。

軍事専門サイトのアーミー・レコグニションはフーシ派が公開した動画を分析し、イスラエルに発射したミサイルは弾道ミサイル「ブルカン」を改造した「ブルカン3」と見られています。ブルカン3は最大射程距離が1200キロに達し、イスラエル領土奥深くにある目標にも到達可能だとされています。

イスラエルのミサイル迎撃システム「アロー」

イスラエルのエアロスペース・インダストリーズ社(IAI)が米ミサイル防衛局(MDA)と共同開発したミサイル迎撃システム「アロー」は、イスラエル防衛システムの最上位とされています。アロー2は大気圏内のミサイル迎撃に、アロー3は大気圏外から飛来する弾道ミサイルを撃墜することができます。また、短距離ロケット砲や迫撃砲の破壊を目指すアイアンドームや、巡航ミサイルの迎撃に特化された「ダビデスリング」もイスラエルの防衛システムに備わっています。

アローは以前にもシリア政府軍がイスラエル戦闘機に向けて発射した地対空ミサイル「S200」の撃墜に使用されたことがありますが、弾道ミサイル迎撃という本来の目的に使われたのは今回が初めてです。イスラエル国防省の関係者は「撃墜の成功はエイラト住民を守り、フーシ派の傲慢な態度に一撃を加えること以上の意味がある。これは、ミサイル発射の背後にあり、またミサイルを供給したイランに対し、イスラエルにはミサイル迎撃システムで対抗する能力があることを証明している」とコメントしています。

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