母親「ただただ助けてほしいと…」 げんきくん(6) 50分かけて車降りるも髪は切らず…初の散髪までの1年  “散髪が怖い”発達障がいの子どもに寄り添う美容師【報道特集】

発達障がいの子どもたちにとって、散髪は怖いものです。実際、通常学級に11人に1人の子どもが発達障がいの可能性を抱えているとされています。その中でも多くの子どもたちが「散髪が怖い」と感じています。今回は、そんな子どもたちに寄り添い、彼らの散髪を一緒に乗り越える美容師と一人の男の子の物語をご紹介します。

“散髪怖い”に寄り添う美容師

赤松隆滋さん(49)は、京都市伏見区にある美容室「Peace of Hair」のオーナーです。この店には地元のお客様だけでなく、遠くから特性のある子どもたちも集まってきます。

ある男の子は言います。「髪の毛チョキチョキしないで」と。彼は発達障がいを抱えています。

赤松さんは優しく言います。「一緒に見ようよ、赤松さんもここに座っているから、一緒に座ろうね」。

初めての場所や同じ場所にじっとしていることが不安で、音や肌触りに敏感な子どもたち。彼らにとって、散髪は苦手なものです。

赤松さんは、配慮が必要な子どもたちのために「スマイルカット」と呼ばれる散髪スタイルを提供し、13年前から取り組んできました。

ある男の子の母親はこう言います。「他の美容室では、1回パニックを起こしたら『もう無理です』と断られてしまうこともあります。だからこっちも行きづらくなるんです」。

男の子は最後に言います。「髪の毛、チョキチョキ切ってくれてありがとうございました」。

彼らは予期せぬ出来事にうまく対応するのが苦手で、頭を触られるとパニックになることもあります。

そこで、赤松さんはイラストを使って何が起きるかを事前に伝えることで、少しでも不安を取り除くようにしています。これまでに彼が髪を切った子どもたちの数は6300人以上に上ります。

赤松さんは言います。「自閉症の子どもたちにはこの方法が合うかもしれませんが、やり方は一人一人違います。障がいだけでなく、性格も個々に異なるからです。だから、100人いたらやり方も100通りくらいあるんですね」。

げんきくん(6)初の散髪までの1年 “車から下りる”50分かけるも…「きょうはこれで終わり」

2022年12月。

この日、初めて男の子が店にやってきました。外で待っていましたが・・・。

赤松さんは尋ねます。「ちょっと見に行ってもいいですか?」。「車から降りないの?全然大丈夫だよ」。「げんちゃん、こんにちは」。

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