米陸軍、2024年にタイフォン・システムをインド太平洋地域に配備予定

米太平洋陸軍司令官のチャールズ・フリン大将は、2024年にタイフォン・ウェポン・システムをインド太平洋地域に配備する予定を明かしました。このタイフォン・ウェポン・システムは、トマホークやSM-6を地上発射するためのシステムであり、中国とのミサイルギャップを埋めるためのものです。

絶望的だった中国とのミサイルギャップを埋める準備が整いつつある

昨年末、ロッキード・マーティンは陸軍にタイフォン・ウェポン・システムを引き渡しました。そして、米太平洋陸軍司令官のチャールズ・フリン大将は18日、2024年にタイフォン・ウェポン・システムをインド太平洋地域に配備する予定だと述べました。

タイフォン・ウェポン・システムは、信頼性の高いMK.41を流用した移動式のミサイル発射装置です。これにより、射程500km以上の攻撃能力を持つミサイルを運用することができます。さらに、将来的には海上の移動目標にも対応できる弾道ミサイルに進化する予定です。

具体的にどこに配備されるかは明かされていませんが、フリン大将は西海岸には配備されない可能性が高いと述べています。最も有力な場所は、米国領で最も台湾に近いグアム島だと予想されています。ただし、タイフォン・ウェポン・システムで運用するトマホークやSM-6では台湾周辺に届かないため、日本やフィリピンに配備される可能性もあります。

ただし、日本やフィリピンへの配備には当該国の承認が必要です。中国を刺激する可能性があるため、当面はグアム島への配備が妥当なのかもしれません。

これにより、米陸軍は中国とのミサイルギャップを埋める準備が整いつつあるといえます。フリン大将も、「タイフォン・ウェポン・システムはHIMARSで使用される弾薬に過ぎない。そのためHIMARS配備に同意済みの国と新たな協議は必要ないと考えている」と述べています。