アルゼンチンで行われた大統領選の決選投票で、新しい大統領に選ばれたハビエル・ミレイ氏(Javier Milei)(53)にとって、喜びに浸る余裕はありません。アルゼンチンは高いインフレーションに悩まされ、資金も不足しています。債権者や国際社会からも冷たい視線を浴びています。次期大統領が直面する困難な課題について考えてみましょう。
アルゼンチンの新大統領の困難な道
米シンクタンク、ウッドロー・ウィルソン国際学術センター(Woodrow Wilson International Center for Scholars)のアルゼンチン専門家であるベンジャミン・ゲダン(Benjamin Gedan)氏は、「アルゼンチン大統領になるということは、世界中の政治の中で最も難しい仕事の一つに就くことだと言っています。
「アルゼンチンの問題は非常に複雑で根深く、解決するのは容易ではありません」とゲダン氏は述べています。
ミレイ氏は、数十年にわたる経済の失政に対する怒りを背景に、トップの座に上り詰めました。彼は経済を「ドル化」し、中央銀行を閉鎖し、歳出を削減することを主張しています。
「アルゼンチンの衰退を止める」と彼は公約し、「漸進主義」や「妥協策」には時間がありませんと警告しています。
大統領就任は12月10日ですが、専門家は、インフレ率が143%、貧困率が40%を超える状況の中、政策運営は非常に困難だと予測しています。
ドル化の行方
ミレイ氏は、2025年までに経済を「ドル化」するという構想を提案しています。それは、通貨ペソを捨てて、金利調整などの金融政策権限を手放すことを意味します。
しかし、ドル化には大量のドルを準備する必要があります。しかし、国際通貨基金(IMF)は、アルゼンチンのドル準備高が危険なほど低い水準にあると警告しています。
また、アルゼンチンのトルクアト・ディ・テジャ大学(Torcuato Di Tella University)のカルロス・ヘルバソニ(Carlos Gervasoni)氏によれば、中道右派の協力を得ても、政界の新人であるミレイ氏の「政治運営能力は非常に限定的です」と指摘されています。
以上が、アルゼンチンの次期大統領が直面する厳しい現実です。インフレや経済の不安定さに悩みながらも、彼が果たせるかどうか注目されます。
本記事の元の情報はYahoo!ニュースから提供されています。