神回に泣いた! 『きのう何食べた?』に学ぶ…パートナーへの“思いやりの在り方”を考える

西島秀俊さんと内野聖陽さんが同性カップルを演じるドラマ『きのう何食べた?』(テレビ東京)が、今アツい。原作はよしながふみさんによる同名漫画で、“シロさん”こと筧史朗と、そのパートナーである“ケンジ”こと矢吹賢二の日常を、食事風景を軸に描いている。

互いの痛みに寄り添い合うこと

“死が二人を分かつまで”と言うとおり、別れのときは必ず訪れる。そんな当たり前だが目を背けがちな事実を描いたのが、2021年に公開された劇場版でのエピソードだ。

物語は、シロさんがケンジの誕生日に京都旅行をプレゼントする場面からはじまる。浮足立つケンジだったが、道中あまりにも優しすぎるシロさんの態度に、“シロさんは死ぬのではないか”という疑念を抱くように。結局これは誤解であり、シロさんは取り乱すケンジを「簡単に死ぬとか言うな」と諭した。

しかし後日、様子のおかしなケンジを見て、今度はシロさんのほうが“ケンジは死ぬのではないか”と不安になる。これもやはり誤解であったが、パートナーの死を思い「怖かった」と泣くシロさんに、ケンジも「死ぬなんて簡単に言っちゃいけないんだよ」と返すのだった。

“あなたが死ぬかと思った”とパートナーから告げられたとき、“縁起でもない”と笑い飛ばしてしまうのは簡単で、きっと一番楽な方法だ。しかし本作の二人のやりとりからは、遺される相手の痛みと向き合い、それを互いに分かち合おうとする姿勢が見えてくる。

劇場版は、ケンジがシロさんの白髪を見つけて「俺たちも歳とったなぁ」と笑い合う場面で幕を閉じるが、共白髪でいられる保証などどこにあろうか。だからこそ、相手に気持ちを伝え、相手の気持ちを受けとめることにズボラになってはいけないと、あらためて思う。それが不安や恐怖、哀しみといったネガティブな感情であればなおさらだ。

愛する人の痛みに寄り添う余裕と優しさを、互いに忘れず持ち続けていたいものだ。


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