イスラエル軍がハマスの地下トンネル網への海水注水を試みたというニュースが報じられました。しかし、専門家たちはこれに対して懸念を表明しています。注水によってガザの民間人に多大なリスクが生じる可能性があるからです。
イスラエル軍の「名案」
10月7日、ハマスによる南部への越境攻撃を受け、イスラエル軍はトンネル網の破壊を決断しました。その後、ヘルツィ・ハレビ参謀総長は注水を提案し、「名案」と評価しました。
広がるトンネル網
米ニューヨーク州ウエストポイントの陸軍士官学校の分析によれば、イスラエル軍が「ガザ・メトロ」と呼ぶトンネル網は、1300本のトンネルからなり、延長は500キロ以上に及ぶとされています。
密輸や攻撃に利用されるトンネル
ハマスがガザを支配するようになった2007年以降、イスラエルはガザを封鎖しました。このため、地下トンネル網は当初、エジプトとの人の往来や物品・武器の密輸に使われていました。その後、2014年のイスラエルとハマスの軍事衝突の後には、戦闘員がロケット弾攻撃に利用するために使用されるようになりました。
深刻な問題に直面するガザ
ガザは既に地下水の塩分濃度が高くなるなどの問題に直面しています。地中海に面し、幅が6~12キロしかないため、海面上昇の影響を受けやすい地域です。
専門家の懸念
イスラエル軍は800か所の立て坑を発見し、そのうち500か所を破壊したと発表しています。しかし、注水については詳細が明らかにされていません。ランド研究所の軍事専門家、ラファエル・コーエン氏は、注水は必ずしもトンネルの破壊につながるわけではなく、地上のインフラにも影響を与える可能性があると指摘しています。
ハマスは、トンネル網が破壊できないと考えているようです。ハマスの幹部、ウサマ・ハムダン氏は、トンネルは十分な訓練を受けた技術者によって造られており、あらゆる攻撃に対応できると主張しています。
このように、イスラエル軍による地下トンネル網への海水注水には様々な意見があります。ガザの民間人の安全を考慮した対策が求められるでしょう。
ソースリンク:日本ニュース24時間