【北京=西見由章】訪中している河野太郎外相は21日、北京郊外で中国の王毅国務委員兼外相、韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相との日中韓外相会談を行った。河野氏は冒頭、対立が深まる日韓関係を念頭に「それぞれの二国間の関係は困難に直面することもあるが、その中にあっても3か国の協力を行うべきだ」と述べた。
外相会談では、北朝鮮が短距離弾道ミサイルの発射など軍事的挑発を繰り返す中、同国の非核化実現に向けた協力を確認。中国で年内に開催予定の3カ国首脳による日中韓サミットの調整も行う。
経済分野では、自由貿易推進の重要性で一致。日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など16カ国で構成する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の年内妥結に向けた協力を確認するほか、日中韓の自由貿易協定(FTA)交渉の加速を図る。
また河野氏は、東京電力福島第1原発事故を受けて中韓両国が継続している日本産食品輸入規制について改めて撤廃を要請する。
同日午後には日韓外相会談も開催。日本側は、いわゆる徴用工訴訟問題をめぐって国際法違反の状態の是正や、韓国国内の「反日的な動き」への対応を求めており、韓国側の反応が焦点となる。