800年続く火祭りに女性が初参加 「もう女人禁制の時代ではない」

火まつり、女性の新たな挑戦

約800年前の鎌倉時代から続く滋賀県守山市の「勝部の火まつり」に、女性が初めて参加することになりました。祭りを支える「松明(たいまつ)組」が後継者養成の教室を開き、それに参加した小学生4人。彼女たちは「伝統がある祭りで、初めての女性が私たちということを誇りに思います」と話しています。

大蛇の退治から始まった火まつりの起源

話の始まりは、重い病にかかった土御門(つちみかど)天皇(在位1198~1210年)です。占い師によると、原因は近江に住む大蛇だということがわかります。そこで天皇は勝部神社で祈りを捧げ、現れた大蛇を焼き払って病を癒しました。

この言い伝えを受けて、勝部神社では大蛇の胴体に見立てた松明を燃やし、五穀豊穣や無病息災を祈願する火まつりが始まったとされています。

女人禁制の祭りに新たな風が吹く

毎年1月の第2土曜の夜に開催される火まつりは、12基の大松明が一斉に点火され、中学1年生から34歳までの松明組若衆が、ふんどし姿でかねや鼓を打ちながら、大きなかけ声とともに乱舞します。しかし、これまで女性は参加することができませんでした。

そこで松明組は、地域の子供たちに火まつりの魅力を伝え、将来的には火まつりを継承していってほしいと願い、今年5月から「伝統文化親子教室」を開催しました。親子たちは大松明に付ける菜種がら作りなどに取り組んできました。この教室には10組の親子が参加し、その中には女の子が4人いました。

松明組組長の田中淳さん(34)は、「もう女人禁制の時代ではありません」と語ります。来年1月13日の本番では、町内を練り歩く太鼓渡りや、大松明の宮入りを先導する提灯(ちょうちん)持ちとして、彼女たちに参加してもらう予定です。

親子教室の参加者は、12月16日に神社境内で最終回を迎え、竹やシバ、縄を使って沿道に1年間飾る松明作りに挑戦しました。

小学5年の双子の姉妹、石川円花さんと明日香さんは、親子教室の参加を回覧板で知り、「おもしろそう」と思い参加しました。彼女たちは、「すごく楽しかったです。提灯持ちを楽しみにしています。女の子が参加できるようになってうれしいです」と話しています。

<参照リンク:日本ニュース24時間