菅直人元首相の地元での敗北 東京・武蔵野市長選で自民党推薦候補が辛勝、自民系は18年ぶり

菅直人元首相(2023年11月5日撮影)

東京都武蔵野市長選挙は、松下玲子市長が次期衆議院選挙に立候補するために辞職したことに伴い、24日に投票が行われました。この選挙では、自民党と公明党の推薦を受けた元市議の小美濃安弘氏(61歳、無所属)が立憲民主党、共産党、れいわ新選組、社民党などの支援を受けた元市議の笹岡裕子氏(37歳、無所属)に僅差で勝利し、初当選しました。

投票結果によると、小美濃氏と笹岡氏の得票差はわずか339票でした。

武蔵野市は、立憲民主党の菅直人元首相の地盤として知られています。2005年10月以降、市長職は非自民系の候補が続いており、自民党系の市長は2005年8月まで務めた土屋正忠氏以来の18年ぶりのことです。

自民党は最近、東京の選挙で立川市長選挙、青梅市長選挙などで3連敗しており、党内の派閥や政治資金に関する問題が取りざたされています。一方、10日に行われた江東区長選挙では、都民ファーストの会特別顧問を務める小池百合子都知事が支援した元東京都政策担当部長の大久保朋果氏(52歳)が勝利しました。今回の武蔵野市長選挙でも推薦候補が勝利したことで、自民党にとっては好材料となりました。

一方、政治資金に関する問題は有権者にとっても重要な問題であり、首都東京の選挙で適切な結果が出せていないことから、次期衆議院選挙への影響が懸念されています。

来年には、安倍派の萩生田光一前政調会長が辞任した地元・八王子市の市長選挙や、府中市長選挙、目黒区長選挙なども予定されています。自民党にとっては、今後も東京の選挙は厳しい戦いとなることは変わりありません。

笹岡氏は、商社での勤務や市議2期の経験を経て、今回の市長選挙に立候補しました。松下前市長や菅氏、立憲民主党の蓮舫参議院議員など、国会議員を含む幅広い支援を受けましたが、勝利には至りませんでした。

投票率は44.77%で、前回(21年)の47.46%から2.69ポイント減少しました。

【参考記事】日本ニュース24時間