「おかあさん、やだ」響く泣き声 父親と娘の目の前で…“整備中”車の試運転で事故か 杉並区母娘死亡

26日、東京・杉並区で衝撃的な事故が発生しました。母親と6歳の娘が整備中の車にひかれ、命を落としてしまったのです。この悲劇の瞬間は父親ともう一人の娘の目の前で起こったといいます。

現場での悲痛な光景

この事故現場には、多くの人々が駆けつけ、心からの追悼の意を示しました。色とりどりの花やお菓子、そして子どもたちが書いたお別れの手紙が供えられました。

献花に訪れた一人はこう語ります。「彼らはいつも笑顔が絶えない、本当に素晴らしい家族でした。ただ歩いていただけなのに、こんな非情なことが起きてしまうなんて…本当に悲しいですね」と。

事故は26日の午後5時すぎに杉並区で発生しました。イラストレーターの杉本千尋さん(43)と小学1年生の娘、凪ちゃん(6)が事故により亡くなりました。事故車両は完全に歩道に乗り上げており、後輪は浮いてしまっていました。

事故の詳細と目撃証言

警視庁によると、事故当時、歩道にいたのは杉本さんと凪ちゃんだけでした。捜査関係者によると、杉本さんの夫ともう一人の娘はその後ろにいたのです。家族全員で歩いていた矢先、歩道に面した自動車整備工場から1台の車がバックで走行してきました。その車が2人をひいた後、そのまま道路を横切り、反対側の歩道に突っ込んでしまったと見られています。

目撃者の証言によれば、「バーン」という音が聞こえた後、事故現場に駆けつけたところ、道路の真ん中には小さな女の子が倒れ、目も当てられないような状態だったそうです。周囲には靴とリボンがついたカバンが落ちており、子どもの泣き声が響いていました。

別の目撃者はこう語ります。「お父さんと娘さんがそこにいて、お父さんはぼう然としていて、娘さんは小学生だと思うんですけど、お父さんにしがみついて『やだやだ』って泣いていました。一瞬で状況が変わってしまったので、とてもかわいそうだなと思いました」と。

凪ちゃんと杉本さんの思い出

事故現場を訪れた友人や知人たちは、杉本さん親子の思い出を語りました。子ども同士が同級生だったという人は杉本さんについて、「彼女はとても優しくてほんわかした方で、今でもすぐに彼女の笑顔が思い浮かぶような、明るい人でした。凪ちゃんはお母さんにそっくりで明るくて元気な子でした」と。また、凪ちゃんの姉の同級生は、「凪ちゃんは本当に明るくてずっとニコニコしていて、とてもかわいかったです。まだ事実を受け入れられていないので、まだ頭に入ってきません」と語りました。

凪ちゃんの課外教室の先生も、「23日にはクリスマス会がありました。凪ちゃんはとてもかわいくて元気よく、張り切って踊っていました。とても楽しい時間を過ごしたので、なおさら辛いです」と述べています。

運転手の容疑者と調査の展開

この事故を起こした漆原宏太容疑者(50)は過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕されました。漆原容疑者は自動車整備士であり、整備中の車を運転していた際に事故が起きたと見られています。

目撃者によると、漆原容疑者はパニック状態で「どうしたらいいんだ」と言いながらウロウロしていたそうです。警視庁の調べに対し、漆原容疑者は「自動車を試運転しようとした。バックしたときに歩行者をひいてしまった」と供述しているということです。

27日の午後、2人の死因が判明しました。杉本さんは全身を強く打ち、凪ちゃんは頭を強く打って亡くなったことが分かりました。警視庁は事故の詳しい経緯や車の不具合の有無などを調査しています。

ソースリンク: 日本ニュース24時間