窮屈な思いをした女子生徒に対するセクハラ発言…学校が防止指針を作成

学校におけるセクハラやパワハラを防ぐため、福岡県・筑後地域の県立高校が独自のガイドライン(指針)を作成しました。この指針は、昨年3月に女子生徒が男性教諭からセクハラ発言を受け、学校側の不適切な対応により一時登校できなくなった事件をきっかけに作られました。

セクハラ発言による被害

関係者によると、セクハラ発言は自習中に起きたものです。男性教諭(50代)は、制服のブラウスのボタンを外していた女子生徒のことを隣の男子生徒に「セクシー女優だよな。かわいいと思うか」と大声で聞きました。女子生徒はボタンを外していたのは息苦しく感じたためでした。

翌日、女子生徒は担任教諭にセクハラ発言のことを伝えましたが、「君にも非があったよね」「そういう発言の多い先生だから」と言われ、ショックで過呼吸を起こし、5時間目の授業に出ることができなくなりました。

放課後には、学年主任が立ち会う中、女子生徒は男性教諭と引き合わされました。教諭は謝罪しましたが、「性的におとしめようとしたわけではない」「こういう発言は信頼関係がないとできない」と釈明しました。

被害の影響

教諭はその後、別の学校へ異動しましたが、女子生徒は制服を見るとセクハラ発言が思い出され、制服を着ることができなくなるほど傷ついたと言います。新年度からは詰め襟の男子の制服を着て登校することが許可されましたが、心身の不調で休みがちになり、医療機関を受診するほどでした。一時的にオンラインで授業を受けるなどして、春に卒業しました。

学校の対応について

生徒と母親は、セクハラ被害を申し立てた直後に教諭に引き合わせられたことや、相談窓口やスクールカウンセラーの来校日が生徒に周知されていなかったことから、「学校側の対応で2次被害を受けた」と話しています。

このガイドラインの作成は、セクハラや不登校などの問題に取り組んできた生徒の母親が学校に働きかけた結果です。

参考リンク: 日本ニュース24時間