除夜の鐘が「うるさい」で中止に 風物詩も通報、“不寛容騒音”問題

イントロ:除夜の鐘が「うるさい」という苦情が相次ぎ、中止や方法の変更が行われる事例が増えています。東京都のある寺では、今年の除夜の鐘を中止することになりました。一年を締めくくる百八つの鐘が騒音になるのか、その真相を探りましょう。

風物詩としての除夜の鐘

除夜の鐘は年末に鳴らされる伝統的な音であり、日本の風物詩と言えるでしょう。しかし、ある寺では毎月2回、早朝に鳴らしていた鐘の音が「うるさい」として、警察に苦情が寄せられました。この苦情がきっかけとなり、除夜の鐘が中止されることになったのです。

鐘の音に対する意見の分かれる場所

その寺の鐘は、緩やかな坂道の上にあり、近くの住宅からもよく見える場所にあったそうです。しかし、住んでいる人たちの中には「音は聞こえたことがない」と話す人もいました。

住職は苦情を寄せた人に心当たりがないと言います。苦情を直接話し合うことで問題を解決することもできるかもしれませんが、警察への連絡だけでは対応しようがありません。

苦情と不審火の因果関係の不明さ

半年後、いつものように鐘を鳴らした後、墓地で不審火が起きました。しかし、警察によると、苦情と不審火の因果関係は不明とのことです。このことから、寺は朝の鐘つきをやめ、除夜の鐘を中止することを決めたのです。

不寛容騒音問題の拡大

除夜の鐘に限らず、日本の風物詩や行事において苦情が相次いでいます。夏の風物詩である盆踊りも風当たりが強くなりました。東京都港区の六本木ヒルズ周辺でも、太鼓の音がうるさいとして多くの苦情が寄せられています。

一方で、町会が警察の許可を得て路上で盆踊りを行ってきた場所では、苦情を受けた住民との話し合いが平行線に終わりました。その結果、会場は霊園に隣接する公園に移され、さらに公園の整備のために再び移転を余儀なくされました。

不寛容騒音の問題

騒音問題総合研究所の橋本典久代表によると、最近は「不寛容騒音」という問題が増えています。自分の境遇に対する不満から、どんな音も認めない傾向が見られるとのことです。

苦情を公的機関に訴えるケースも増えていますが、直接話し合うことが大切だと言います。相手の立場を理解し、良い人間関係を築くことが解決の基本です。

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