大晦日、池袋での食料配布に343人が列 物価上昇が「死活問題」に

2023年の大晦日、東京都内で行われた無償の食料配布会には多くの人が並びました。コロナ禍の影響から抜け出せない人々に加えて、物価の上昇が家計に重くのしかかり、利用者数は高止まりしています。

【写真】大晦日の食料配布会に多くの人が並びました

年末年始は、日雇いの仕事がなくなり、行政機関の窓口も閉まることから、各地で支援団体が炊き出しや相談会を開催しています。

豊島区の東池袋中央公園では、ホームレス状態の人たちを支援するNPO法人「TENOHASI(てのはし)」が400食の弁当を用意しました。

配布開始の3時間前から並んでいた新宿区の75歳の男性は、「毎日生きるのに必死なので、炊き出しはありがたい」と話しています。

「生活保護ではやっていけない」とパートでビル清掃の仕事に就いているが、左足のけがが悪化し、思うように動けなくなってきたとのこと。「体中が痛いけど、収入を減らすわけには行かない」と嘆いています。

荒川区で生活保護を受けている55歳の男性は、「物価の上昇が心配だ」と漏らしました。少しでも安い食料品を探して、都内のスーパーを日々巡っているそうです。「食料品の値上がりは死活問題。政府は早急に対策を講じてほしい」と訴えました。

TENOHASIの清野賢司事務局長は、「コロナ禍は終息したはずなのに、炊き出しに来る人数は高止まりしています」と述べています。

2023年の食料配布の利用者数は平均540人で、コロナ前の2019年の3倍以上に増えています。コロナ禍で仕事を失った人々などが継続して訪れているとのことです。

てのはしは、1月2日に午後5時から東池袋中央公園で医療・生活相談と弁当配布を行い、3日には午後9時30分から池袋駅前公園でおにぎりを配る予定です。

朝日新聞社

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