能登半島を襲った大地震から一夜明けた２日、被害の厳しさが次々と明らかになっています。石川県輪島市の中心部では火災により約２００棟が全焼し、珠洲市などの沿岸部では津波により集落が流されました。地元の住民たちは、家族や知人の安否を心配しながら、かつての故郷が変わり果てた姿に言葉を失っています。
絶望の中、男性の勇敢な行動
輪島市の建設業に従事する７０歳の男性は、崩れ落ちた２階建ての自宅前に立ち尽くしていました。娘２人の腕の感触が冷たくなっているのを探しましたが、８０歳代の義母の安否は未だにわからず、心配は尽きません。
家族みんなで迎える久々の年末年始
男性にとっては珍しい家族だけの元日でした。通常、４０歳の次女は東京都内のデパートで働いており、年末年始は仕事で過ごしていました。しかし昨年春に転職し、今年は長女（４３歳）と金沢市に住む実家で一緒に過ごすことができました。
家が崩れる瞬間、娘たちとの別れ
１日午後４時過ぎ、男性は２階でテレビを見ていた際に地震を感じました。彼は１階にいた娘たちに「地震だ！」と叫びましたが、その瞬間、再び大きな揺れが起きました。すると、自宅が崩れ始めました。
男性は自力で脱出した後、下敷きになっていた娘の腕が見え、彼女のうめき声も聞こえました。「大丈夫か？」と必死に彼女の手をさすりましたが、次第にその手は冷たくなっていきました。周囲の住民から「津波が来る！逃げろ！」と言われるまま、男性は高台へ避難しました。
痛ましい光景に心が痛む
２日の朝、男性はがれきの中から引きずり出した２人の顔を見ることができませんでした。「痛かったろう、辛かったろう」と男性は震える手で目頭を抑えました。
「大切な母、何とか見つけてほしい」
珠洲市の沿岸部でも、多くの民家が倒壊し、津波に襲われました。宝立町の土木作業員である５３歳の男性は、７０歳代の母親の安否が確認できないという状況です。
元日、母親と一緒に雑煮を食べ、茶の間でくつろいでいた時に大きな揺れが発生しました。彼女に「ちょっと外を見てきて」と言われ、外に出るとさらなる大きな揺れが襲い、２階が１階に沈みました。
男性は叫びましたが母親からは反応がありませんでした。消防団員からの呼びかけで「津波が来る！避難してください！」と避難所に向かった男性は、母親のことを気にかけながら後ろ髪を引かれました。
この記事は、輪島市を中心に起きた地震と津波の被害について報じています。日本ニュース24時間では、最新のニュースをお届けします。
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