元日本航空機長が語る…事故防止の可能性と残る謎

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日本航空と海上保安庁の航空機が衝突し、5人が亡くなるという悲劇が起きました。なぜ、こんな事故が起きてしまったのでしょうか。

今回は、元日本航空機長の塚原利夫さんと一緒に、模型を使って事故の再現と解説を行いました。

管制からの指示と認識の食い違い

まず、事故が起きた場所は羽田空港第2ターミナル近くのC滑走路です。事故直前、海上保安庁の航空機はC-5という地点から滑走路に進入しました。その時、日本航空機が降りてきて衝突が発生しました。

事故前、海上保安庁の航空機には管制から「停止位置まで地上走行」との指示が出されていました。しかし、この停止位置が実際にどこにあるのか、認識に食い違いがありました。

塚原さんによれば、C-5の停止位置は滑走路の手前にあるはずで、管制からの指示も「C-5で待機をしてください」というものでした。

なぜ食い違いが生じ、事故が起きてしまったのでしょうか。

状況認識の差が事故を引き起こした可能性

塚原さんは、「思い違い、食い違いというのは、人間ですからあることだと思います」と述べています。海上保安庁の副操縦士は管制に対して「C-5の位置で止まります」と返答しており、この返答は管制にも伝わっていたはずです。

しかし、どうやらこの共通認識が得られていなかったようで、海上保安庁の機長は誤解をして滑走路に進入してしまったのではないかと考えられます。その結果、海上保安庁の航空機がC-5地点を通過後、滑走路上で約40秒間停止した状態で、日本航空機との衝突が起き、炎上したのです。

C滑走路上での40秒間の停止状態について、どのような状況だったのでしょうか。

塚原さんによれば、おそらく離陸許可はまだ出ていなかったが、滑走路に入って離陸を待つ指示だと錯覚してしまったのではないかと考えられます。

さらに、停止位置に信号機などの案内があるのかという質問に対して、空港によってついている場所とついていない場所があるとのことです。羽田空港では通常、信号機は設置されていないそうです。

これからは、飛行機のシステムがどれだけハイテク化されていても、人の声や音声無線の重要性が改めて浮き彫りになりました。今回の事故でも、機長と副操縦士の間で状況認識の差が生じ、悲劇が起きてしまったのです。

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