日帰り旅行中に被災した父と2人の娘「妹を成人式に」かなった家族の願い 能登半島地震

地震による津波被害で大きな被害を受けた能登半島地震。多くの旅行者が被災し、日帰り旅行中だった沢田勝宏さん(58)と2人の娘も避難所での生活を余儀なくされました。しかし、なんとか地元に戻ることができ、次女の彩希(さき)さん(20)は成人式に参加することができました。

父娘の願い

被災地の石川県珠洲市で、沢田さんの長女で富山県職員の日菜(ひな)さん(23)が驚くべき行動に出ました。妹の成人式が迫っているにもかかわらず、沢田さんと彩希さんを富山まで乗せてくれるよう、ドライバーに頼み続けました。「妹を成人式に出したいんです」という強い願いを抱きながらも、返事はなかなか得られませんでした。

しかし、沢田さん一家が富山に向かう予定だったことから、日菜さんは自らの車に父娘を乗せることに決めました。

突然の被災

地震が発生した日、沢田さん一家は日帰り旅行で富山県を訪れていました。珠洲市の須須神社で初詣を済ませた後、観光名所である白米千枚田がある道の駅「千枚田ポケットパーク」に向かっていましたが、そこで地震に遭遇しました。

激しい揺れと土砂崩れにより、道路は破断され、先に進むことができなくなりました。一帯は孤立し、道の駅が避難所になりました。3人は数日間、救助を待つこととなりました。

「日々を大切に」

3人は軽装だったため、着替えも風呂にも入ることができませんでした。停電のため、日没後は暗闇で朝を待つしかありませんでした。最初に支給された毛布は2人に1枚しかなく、「妹と体を寄せ合ったが、こごえてとても寝られない」と沢田さんは振り返ります。

5日の朝、警察のヘリコプターが孤立した地域からピストン輸送を開始しました。3人は珠洲市に運ばれましたが、珠洲市も被害を受け、自宅に帰る手段がありませんでした。そこで日菜さんの車に乗せてもらうことになりました。

成人式当日の7日、彩希さんは花柄の晴れ着で参加しました。「私たちには何倍も辛い思いをしている人々がいる」と被災地を思いやる言葉を述べながら、「無事戻って来られたことに感謝し、日々を大切に生きていきたい」と20歳の誓いを立てました。

被災者への支援

このような地震被災地では、地元住民だけでなく、旅行者も多く被災し、帰ることができなくなってしまう人々がいます。被災地が観光地であったため、このような事態が生じました。行政は被災者の支援に加えて、被害に遭った人々への施策も必要とされています。

(※本記事の情報はYahoo! JAPANのニュースより引用しています。記事のリンク