「“薬物疑惑”のデマ拡散」された西田敏行さんが後輩たちに示した、ネット誹謗中傷と「戦う姿勢」


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西田さんは1970年に劇団青年座に入団し、芸能活動をスタート。

NHK大河ドラマでは『翔ぶが如く』(1990年)、『八代将軍吉宗』(1995年)、『葵 徳川三代』(’00年)の3作で主演を果たした。

映画では1988年から『釣りバカ日誌』シリーズに主演。コミカルな演技で好評を博す一方、北野武監督の映画『アウトレイジ』シリーズでは、ヤクザ役で脚光を浴びた。

歌手としても『もしもピアノが弾けたなら』(1981年)がヒットし、同年の『第32回NHK紅白歌合戦』に初出場。バラエティでは大阪・ABCテレビ『探偵!ナイトスクープ』で“涙もろい局長”を長年務めた。

◆ネットの誹謗中傷に毅然と対応

捜査関係者によると、西田さんは東京・世田谷区の自宅のベッドで冷たくなっており、家族が17日午後0時20分ごろ、119番通報した。病死とみられている。

突然の訃報に、多くの著名人が大らかな人柄をしのび、追悼の声を上げているが、西田さんは昨今社会問題化している“誹謗中傷”対策についても毅然とお手本を示した。

’15年ごろからネット上では、西田さんの薬物疑惑や暴力的趣向について根拠のない情報が出回った。次第にそれは「都市伝説」や「芸能界の闇」といったワードと結びつき、看過できないレベルに達した。

こうした状況に西田さんは’16年に都内で行われた『ドクターX』第4シリーズの制作発表で

「シャブ中ではございません」

と言ってのけた。

薬物疑惑を逆手に取り、ネタとして昇華したのだ。当時は

「さすが西田さん」

と業界関係者の間でも称賛されたが、実際は違った。

「西田さんは根も葉もないウワサに困惑し、怒り心頭でした。実際に、薬物疑惑などのせいで、長らくイメージキャラクターを務めてきた財閥系企業との契約がなくなってしまいました。西田さんクラスともなれば、損失は数千万円どころではありません。その財閥系企業も西田さんが〝シロ〟なことはわかっていましたが、イメージ商売だけにネットの風潮を鑑みて苦汁の決断となったようです。誰も得をしない結末に西田さんは『絶対に許すことはできない。これを放置したら大変なことになる』と犯人探しに動いたのです」

西田さんの所属事務所は’16年8月に被害届を提出。約1年後、警視庁赤坂署は偽計業務妨害容疑で、中部地方に住む40代の女ら男女3人を書類送検した。容疑はネット掲示板や雑誌などから、西田さんが

「違法薬物を使い、日常的に暴力をふるっている」

という内容の記事をまとめ、閲覧可能にした疑い。女は

「人の興味を引くような記事を掲載して閲覧数を伸ばし、広告収入を増やしたかった」

と供述したという。

◆ベッキーや町田ゼルビアなども誹謗中傷に厳しく対応

「温厚なイメージの西田さんですが、筋の通らない話や人に迷惑を及ぼす行為には怒りをあらわにする人でした。同時にネットの誹謗中傷などが原因で自ら命を絶つ人が出ていることに深い悲しみを覚えていました。以前、NHKのインタビューでギスギスした世の中になることを危惧していましたが、まさにその通りになってしまいました」(スポーツ紙記者)

最近になってようやく誹謗中傷に泣き寝入りすることなく、発信者に対し開示請求を行うケースが増えてきている。

タレントのベッキーなどが所属する芸能プロ『GATE』は10月15日、公式サイトで悪質な誹謗中傷に対し

「法的措置を含む対抗策を強固に実行いたします」

「インターネット上の誹謗中傷等に対しては、迅速に証拠を保全し、発信者情報開示請求等の法的手段を含め厳正に対処してまいります」

と宣言した。

スポーツ界でもサッカーJ1のFC町田ゼルビアが繰り返し悪質な書き込みを行った投稿者を名誉毀損などの疑いで東京地検に刑事告訴したと発表した。弁護団によると選手だけでなく、選手の家族にまで暴言が届くこともあったという。

西田さんが真っ先に示した“戦う姿勢”。後輩たちにしっかりと受け継がれている――。

FRIDAYデジタル



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