大阪16区選挙戦:公明の地盤に維新が挑戦状、立憲も虎視眈々

今回の衆議院選挙で、大阪16区(堺市堺区、東区、北区)は、日本維新の会、公明党、立憲民主党による三つ巴の激戦区となっています。長年、公明党の牙城とされてきたこの地で、各党はどのような戦略で選挙に臨んでいるのでしょうか?

公明党:ベテラン議員引退で世代交代なるか?

公明党は、「常勝関西」といわれる強固な地盤で10期連続当選を果たした北側一雄元国土交通相の引退に伴い、後継として参議院議員から鞍替え選挙した山本香苗氏を擁立しました。

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22日には、北側氏と共に堺市駅周辺で街頭演説を行い、飲食店や商店を回り、支持を訴えました。

山本氏は、4期12年の参議院議員としての経験と実績を強調し、「命と暮らしを守る」ことを前面に訴えています。高齢者の医療費窓口負担を原則3割に引き上げるという維新の公約を批判するなど、福祉政策にも力を入れています。

しかし、北側氏が築き上げてきた自民党支持層への浸透は容易ではなく、支持拡大が課題となっています。

維新の会:大阪での勢いを駆って議席獲得を目指す

日本維新の会は、新人候補の黒田征樹氏を擁立し、公明党の牙城に挑みます。黒田氏は、堺市議会議員時代に市の財政改革を進め、医療、福祉、教育分野に投資した実績をアピールしています。

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維新は、公明党だけでなく、立憲民主党にも矛先を向ける「二正面作戦」を展開しています。20日には、大阪維新の会の横山英幸幹事長(大阪市長)が堺市内で演説し、自民党の派閥パーティー収入不記載事件を引き合いに出し、「自公政権は私腹を肥やす30年だ」と批判しました。

立憲民主党:漁夫の利を得て議席奪還なるか?

立憲民主党は、過去2回の衆議院選挙で北側氏に敗れているものの、比例代表で復活当選を果たしている森山浩行氏を擁立しました。森山氏は、「北側氏が引退した今がチャンスだ」と述べ、旧民主党が政権交代を果たした2009年以来の小選挙区での勝利を目指しています。

混戦模様の大阪16区、勝敗の行方は?

産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)による終盤情勢調査では、維新新人の黒田氏と立憲前職の森山氏が競り合い、山本氏が追う展開となっています。

公明党は長年の地盤と組織力で、維新は大阪での改革実績と勢いで、立憲は政権批判票の取り込みで、それぞれ議席獲得を目指します。果たして、有権者の選択は? 결과는 10월 27日の投開票で明らかになります。