千葉刑務所で隠蔽か?受刑者が刑務官をノミで刺傷、それでも沈黙を守る理由とは

千葉刑務所で発生した衝撃の事件

千葉刑務所といえば、初犯で刑期10年以上の長期受刑者が収容される厳重な施設として知られています。その刑務所内で、今年6月、服役中の無期懲役囚が刑務官をノミで複数回刺すという衝撃的な事件が発生していたことが明らかになりました。

千葉刑務所の外観千葉刑務所の外観

驚くべきことに、千葉刑務所はこの事件を公表しておらず、矯正関係者の間からは隠蔽ではないかと批判の声が上がっています。一体なぜ、このような重大事件が隠蔽されなければならないのでしょうか?

事件の詳細と背景

事件が起きたのは、刑務所内の木工製品工場。刑務作業で使用される工具を刑務官が点検していたところ、工場で働く無期懲役囚が背後から襲いかかりました。

刑務作業の様子刑務作業の様子

加害者の男は、隠し持っていた木工ノミで刑務官の背中などを数回刺し、職員は重傷を負ったとのことです。

関係者への取材によると、加害者の男は以前から工場内の班長から叱責を受けるなどしてトラブルを抱えていました。事件の数日前には、その班長がいる工場での作業を拒否したものの、刑務所側がこれを認めなかったため、事件発生の前日にしぶしぶ工場に戻っていたという情報もあります。

刑務所内の様子刑務所内の様子

隠蔽の疑いとその理由

一般的に、刑務所内で受刑者同士が暴行事件などを起こした場合、刑務所は約半年後に検察に事件を送致し、報道機関に発表するのが通例とされています。

しかし、今回の事件は刑務官が刺されるという重大な事件であり、しかも殺人未遂の可能性もあるにもかかわらず、4か月以上経った今も公表されていません。

専門家の間では、来年導入される「拘禁刑」に影響することを恐れて刑務所側が事件を隠蔽しているのではないかとの見方が出ています。

拘禁刑は、仮釈放のない終身刑ともいえる制度であり、受刑者の人権や更生に大きな影響を与える可能性があります。もし今回の事件が公になれば、拘禁刑の導入に反対する世論が高まり、制度の実現が危ぶまれる可能性も考えられます。

刑務所側の沈黙は、事件の真相究明を遅らせ、更生施設としての信頼を損なうばかりか、新たな制度導入にも影を落とす可能性を孕んでいます。一刻も早い事件の公表と徹底的な調査が求められています。