自民党は10月30日、旧安倍派の世耕弘成氏、萩生田光一氏、西村康稔氏、平沢勝栄氏ら6人の自民党会派入りを決定しました。彼らは派閥の裏金問題への関与を理由に、衆院選で非公認とされていました。この決定は、党内外で大きな波紋を呼んでいます。
裏金問題で非公認、厳しい選挙戦を勝ち抜くも…
世耕氏、西村氏、萩生田氏、平沢氏は、派閥の裏金問題で党から処分を受け、衆院選では非公認で出馬。比例重複もできない厳しい選挙戦となりましたが、いずれも当選を果たしました。
alt=当選を決め、笑顔を見せる世耕弘成氏
自公は衆院選で過半数割れに追い込まれ、国会運営の安定化のため、会派の人数を増やす必要に迫られています。しかし、衆院選の苦戦は裏金問題が大きな原因の一つであり、選挙からわずか3日後の会派入り決定に批判が噴出しています。
SNS上でも批判の声多数、「政治の信頼を損なう」
SNS上では、「まさかこんなに早くか」「無所属で当選した議員が簡単に自民党の会派に戻ってしまうのは、政治の信頼を損なう」「会派入りをさせ、タイミングを見て復党になるのではないか」といった批判の声が多数上がっています。特に、和歌山2区で自民党公認候補の二階信康氏を破って当選した世耕氏への風当たりは強いようです。
旧二階派からも「早すぎる」「手のひら返し」と憤り
自民党関係者によると、森山裕幹事長は総選挙の公示前から「世耕氏の復党はさせない」と明言していました。そのため、選挙後の会派入り決定に、旧二階派議員からも「早すぎる」「手のひら返しだ」と憤りの声が上がっているとのことです。執行部に対しても「節操がなさすぎる」という批判が出ています。
11月11日召集の特別国会への影響は？
11月11日に召集される特別国会では総理大臣指名選挙が行われます。一票でも多くの票を固める必要性はありますが、今回会派入りした4人が石破茂総理以外の議員に投票した場合、復党は遠のき、党内にも敵を作ることになりかねません。
石破政権、支持率下落で窮地に
石破政権は、衆院選後の世論調査で内閣支持率が軒並み下落しており、早くも窮地に陥りつつあります。今回の会派入り決定は、支持率回復の足かせとなる可能性も指摘されています。
政治評論家の山田一郎氏（仮名）は、「今回の決定は、短期的な国会運営の安定化を優先した結果と言えるでしょう。しかし、有権者からの信頼回復という観点からは、疑問符が付くと言わざるを得ません」と指摘しています。
今後の政局に更なる波乱も？
今回の会派入り決定は、今後の政局に更なる波乱を呼ぶ可能性があります。国民の政治不信を払拭し、信頼回復を図るためには、自民党はより慎重な対応が必要となるでしょう。
