大阪での衆議院選挙応援動画が「差別的」と批判を浴び、削除されたれいわ新選組・山本太郎代表の動画について、同党の大石あきこ議員がX(旧Twitter)で真意を説明し謝罪しました。この動画は、10月25日に公開され、大阪5区の有権者に向けて山本代表が誰に投票すべきか解説する内容でしたが、たどたどしい日本語で話す演出が物議を醸しました。
カタコト日本語の演出が差別的と批判殺到
動画内で山本代表は「お前らに教えてやる。よく聞け……」といった口調で語りかけており、外国人や言語障害を持つ人への差別だとする批判がX上で続出しました。コリアNGOセンターも公式サイトで要望書を発表し、マジョリティである日本人が外国語話者をまねるコンテンツは差別だと指摘しました。一方で、パロディであり差別的要素はないという擁護意見も見られました。
山本太郎代表の選挙応援動画が物議を醸した
大石議員、動画の真意を説明し謝罪
11月1日、大石議員はXで動画削除の経緯を説明しました。動画は9月に大石議員が山本代表に依頼し、大石議員事務所で編集したものとのことです。元ネタはタイ在住のTikTokインフルエンサー「ナインさん」のカタコト日本語動画であり、「わかりやすい」「新鮮」「意外性」といった文脈で流行し、多くの若者がパロディを作成していると説明しました。
大石議員は、動画作成・公開の理由は流行に乗ったためであり、流行自体に差別的意味合いはなかったと主張しました。社会的に虐げられている人々を見下す文脈ではないと判断したとのことです。
新しい言語表現の可能性と公人の責任
大石議員は、流暢な言語だけが優位ではないという「新しい言語のあり方」を提案する意図もあったと述べています。しかし、流行しているからといって公人がカタコトのマネをすることには別の文脈が生じるという指摘を受け止め、謝罪しました。今後は注意するとしています。
大石あきこ議員がXで謝罪
流行と差別、表現の自由の境界線はどこに?
今回の騒動は、インターネット文化における流行と差別、表現の自由の境界線を改めて問うものとなりました。パロディやユーモアを意図した表現であっても、受け取る側によっては不快感を与え、差別と捉えられる可能性があることを示しています。公人、特に政治家は、より一層の配慮と責任が求められるでしょう。